「坊や、いい年して大人気ないわ」 「大人っていうんなら“坊や”はやめろ、ネヴァン」 呆れたというように首を振るネヴァン。 仕草の一つ一つが必要以上に色っぽいのは、無意識のオプションである。 普段は奇抜なつくりのエレキギターとして、事務所のドラムセットの近くに鎮座ましましている。 が、最近は格段に人でいる時間のほうが増えた。理由は簡単――。 「お前、最近、バージルのために固有技を考えてやってるそうだな」 「あら、ばれてた?」 ばれるもなにも、日の高いうちからバージルと社交ダンス以上の密着度(しかも人型)でくっついてる上、かつて地下歌劇場で披露したような強烈な技の数々を再現していて、気付かないわけがない。 「技の開発なんて、武器化してるほうが都合がいいだろうが!何で人型でアダルトな世界を作る必要があるんだよっ!」 「だって、お兄さんたらスパーダにそっくりなんですもの…」 「似てるのはデコ出してるとこだけだ!事務所で妙な雰囲気をかもし出すなっ!」 「じゃあ、武器化してるときは、くっついてていいわけ?」 「そういう問題じゃないんだよおおおおおっ!」 駆け引きのプロであるネヴァンに、考えるより体が先に動くダンテが敵うはずもない。 |