書架

□溶惑
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彼は決して、青年を丁寧に扱うわけではない。
むしろ、手足をあらぬ方向へひねり上げるような方法を好む。
手をねじ曲げるように掴んで、後ろから斜めから激しく突き上げられる。
あるいは、絹紐で縛ったまま愛で玩ぶ。
体に痕を付ける愚は冒さないが、枯れた声やおぼつかない足取りや、ふらついた腰、ぼんやりとろけた物思いの風情や赤く潤んだ眼差しを、好んで窺っている節がある。


時折、本当に死にそうなほどの羞恥と引き換えに、彼を誘わずにいられなくなる。
奇妙なことに、そういう時ほど、彼はおとなしく従う。
そして、言われるまま寝台に横たわった青白い裸体を、感歎に喉を鳴らして見つめるのだ。
それは、曹髦にとって悪くない儀式だった。
少なくとも、たぐいまれな宝物を愛でるような眼差しではあるから。





その笑みに、触れずにはいられない。
勝ち誇った微笑みですら。



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