他・夢小説

□あなたは、いつも、そう。
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あの人はいつもそう。


会いたかった、と言われれば、

僕もだよ。と。


話したかった、と言われれば、
僕もだよ。と。

人たらし。


いつも、やさしくしてくれる。
そんなあなたに、少しだけ心を許して、
気持ちを預けていた矢先。

街行く女子供から、そう言われている姿を偶然見かけた。


…わたしにも、そんなこと言ってたな…
嬉しかったけど、わたしだけじゃないんだ。そう、胸がちくん、とした。


僕もだよ。と。


単なる口癖なのね、みんなにそう、言っているのね。



なんだかとても、惨めに感じてしまって、
心に穴が空いた気分だった。


みんな、憧れる。
みんな、優しくしてくれる。
みんなが、大事にしてくれる。

貴方にとっては、それが当たり前。



僕もだよ。



その言葉一つで、わたしを殺せるのに。



わたしに向けられていない言葉の刃。

それなのに、わたしに突き刺さる。

諸刃の剣。

わたしに向けられていなくとも、
わたしの心に、突き刺さる。






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