キリ番

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いつも道理の部活後、少しだけいつもと違う事が起こった。

「ざいぜーん」
「…なんすか?」
ひらひらと何かの封筒をちらつかせながら、謙也先輩が近付いてくる。
「ラブレターfrom俺」
「えっ?!」
「正確にはアンケート用紙」

…一瞬で成層圏まで舞い上がった俺のテンション返せ。
渡された封筒を開けると、中に入っていたのは言われた通りアンケート用紙らしきもの。
「これ?」
「この前、放送部の企画で、各部活のイケメン投票したやろ?」
「あー」
「テニス部では見事、財前君が一位に選ばれましたおめでとうクタバレ」
「最後の一言が如実に先輩の心境を現してますよね」
「そんなわけでな、来週の水曜日にテニス部のイケメン代表として放送室でインタビューされてくれ。俺の司会で」
インタビュー。と言うことは二人きり?
狭い放送室に先輩と二人。
外からは見えない場所で先輩にあんなことやそんなことが出来たりできなかったりしたりするんじゃないのかもしかして!

「喜んで」
「ほな、質問の答え考えといてなー」
内心の再び急上昇したテンションを隠しつつ、笑顔で立ち去る先輩を見送った。

しかし。先輩は俺が選ばれたことをどう思ってるんだろうか。
少しは、気にしてくれればいいと考える俺は女々しいと思う。
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