小説

□菊丸の勘違い。
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菊丸の勘違い。












「ふんふんふ〜ん♪さてと!今日も頑張るぞ〜」


テニス部の部室へ、軽い足どりで菊丸は向かう。


「んにゃ?もう誰か来てる…早いなー」


ドアノブに手をかけようとした瞬間、


『ちょ、待って…っ』

『こら、じっとしてて』


…と中から声が聞こえ、菊丸は思わずその手を止めた。


(あり、この声は…)


『ぅ……や、痛いっす……』

『動いたら取れなくっちゃうでしょ…』


(……………何この会話)


『…っ、不二せんぱい……』

『大丈夫、もう少し我慢して?越前』


ドアを隔てた向こう側の会話。

ちょ、オレすんげー入りにくいよーなどと呟きながら菊丸は聞こえてくる不二とリョーマの会話が気になって仕方ない。


何故って。


(おチビのあんな泣きそうな声聞いたことにゃい…!)


からなのでした。


するとそこに、


「あれー?英二せんぱーい?」


桃城がやって来ました。


「…何してんすか?」

「い、いや何もっ」

「?部室入りましょーよ」


え、と一瞬菊丸の顔が固まったが、桃城に変に思われるのも嫌な訳で…。


「う、うん…」

「ちわーっす!」


がちゃり


というよりもバーンという効果音をたてて桃城がドアを開けた。


「…取れたよ、越前」

「てて…あ、どもっス。」

「ちわーす!何してたんスか二人とも〜?」


(ナイス桃っ!!!)

と思いながら、

「そうだにゃ〜何してたの?」


と菊丸も聞く。


あぁ、と不二が笑い、


「越前が目にまつげ入っちゃたっていうからさ」

「自分じゃ取れなかったから不二先輩に取ってもらってたんス」


「…!?それだけ!?」

「?そっスけど…」


(ちょ、なんだぁ〜!そんなことだったのか……)


「英二先輩…?」

「英二」


リョーマの声を遮るように不二が口を開いた。


「んにゃ?」


くるりと菊丸が振り返ると。


「英二〜、今何想像してたのかな?」


いつもの笑顔にキラキラ効果が3割増した不二が。


「……え゛?」


何のことだにゃ?ととぼける菊丸。

(不二に心読まれたぁぁ!!?)

実はこんなことを思っていたり。

(だってだってあの会話は普通じゃないって〜!!)


「英二?」

「うひー!」


何考えてたか知らないけど、と不二が言う。


「…僕はこんなところで英二が考えてるようなことしないよ」


(心読んでるじゃんかぁ!!)


「別に、オレは…」


ふふ、と不二は菊丸の肩にポンと手を置いて




「…英二のエッチ」


「!?」


と囁いて機嫌良く部室をあとにしたのでした。




「ふ…不二のバカァァ!!!」


菊丸負け犬の遠吠え。





END


不二リョと勘違いした菊丸の話でした。
いかがわしい会話をさせたかったんです…/(^Ο^)\←


081220/香夜




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