読み物の街
□その雪を見て、何を思うのか>>仁斗視点
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―――オマエがオマエじゃなくなった時、オレはオマエをこの手で殺してやる―――
その雪を見て、何を思うのか[仁斗視点]
その日は珍しく雪が降った。学校の帰り道…
相変わらず、ことはは馬鹿で
「わぁ!!雪が降ってるー!雪だるま作れるかな…」
とか言ってるし、理奈は
「まだ降り始めたばかりよ…」
とあきれ果てている。
そんな中、ふと時識を見たら空から降ってくる雪を静かに見つめていた。
「オイ、時識。何をしているんだよ。理奈とことはが先に行くってさ」
俺がそう声をかけたらアイツは、はっとしたように俺を見た。
「…今、俺はなにをしていた?」
最初は何言ってんだろうって思った。けど、時識の目は真剣だった。
「空…いや、雪が降っている空を見上げていた。」
俺がそう言ったら、あいつは泣きそうな目をして俺にこう言った。
「俺はいつか、強い魔戦師になると思う」
けど、と続けた。
「…いずれ、俺はこの手を朱で染めても、死体の上に乗っても…何も感じない人間になるのかもしれない…」