読み物の街

□魔法の結界〜消失の意味2〜
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─新たな者が残酷な宴に加わる。その参加者の運命を…誰も知ることなどない。



魔法の結界〜消失の意味2〜




「どういう事かな…魔戦士、結戦師の君達?もう、この学園で3日で6人もの人間が消えた。」

今、時識達4人の前にいるのはこの学園の生徒会長である木ノ葉 楓子(コノハカエデコ)。彼女の才能は、学園の全員が認めている。知能もさながら魔法もとても良い。

そんな会長に何故、時識達が怒られているかと言うと、3日前から起きている「生徒行方不明事件」の事だ。

「全く、1年の魔法結界隊(各学年で選ばれた優秀な者が属している)は君らなんよ。ことはさんの感知能力だけじゃ足りないん?」


その言葉を聞いて、黙って聞いていたことはが突然怒鳴った。
「なに、それ!私の事を無能って言いたいんですか、生徒会長!?」

「そうですよ、木ノ葉会長。ことはさんの能力のすごさは証明されています!」
珍しく、いつもは大きな声を出さない理奈がことはに続いて言う。


「では、2年生や3年生の魔法結界隊の皆さんは無能では済まされませんよね?」
そんな中、時識は冷静に本当の事を木ノ葉に尋ねる。

「…零崎くんは、やっぱり特別なんやね。そう、あいつら(2、3年生の魔法結界隊の生徒)は、無能以下。だから、私は君達にかけているんよ。だから、今回呼び出した。」

「どーりで、説教だけならわざわざ生徒会長室に呼ばないからな…。」
と、仁斗が皮肉を言う。

「君達に渡したいものがある。ことはさんの能力を認めてない訳ではないが…試作も兼ねて、是非使って欲しいんよ。」

そう言った木ノ葉会長は、机の引き出しに声をかけた。

「って事で、この4人をサポートしてあげて…アリシェ。」

そうしたら突然、机から何かが出てきた。

「…人か?妖精か…?」

「小さい…お人形かな?」
仁斗とことはがほぼ同時に反応する。
そして、話題になっているその不思議な少女(?)は、ふわりと会長の肩に腰をおろした。

「学園の制服を着ているな…だが、見たことない。」
時識がその姿を見てびっくりしていると、理奈が思い出したようにいった。
「ひょっとして、その子は…能力をもつドールですよね?」

ドール、理奈がそう言った途端、その少女は怒ったように口を開いた。

「私は、ドールじゃない!心もあるし…アリシェって名前だってあるんだよ!!」
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