読み物の街
□魔法の結界 〜全てのハジマリ〜
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俺は…人間が嫌いだ。
だって、すぐに裏切るから。
「おはよう、零崎。」
毎日、委員長が話しかけてくる。
「…委員長…」
「明日のクラスイベントについて話がしたい…」
ガタンッ 時識は仁斗の話を無視して立ち上がり、歩きだす。
「オイ!!どこに行く!?」
「静かになれる所。」
そう言って、教室のドアを閉める。
「…チッ…」
仁斗が舌打ちをする。
そうしたら、一瞬で教室内が静かになった。
「この俺が…なんでこんな事してんだよ。…はぁ。」
一方、時識は図書室にいた。
(たしか…昨日返却予定だったはず…<魔法王の守護者>)
上から下までじっと探していく。
「あった!!」
下から2番目の棚に目的の本を発見した…その時、
「その本…私に渡してくれるかな?」
驚いて、時識は後ろを振り返る。
(な、この女…気配がなかった)
けど、この本をやっと見つけたので、そう簡単に渡せない。
「誰か知りませんが、これは俺が先に見つけた。」
そう言ったら、その女は「あぁ!」と小さく叫んだ。
「ごめんなさい、私は中等部の魔戦士志望の藤島神奈。そして、図書委員です。」
続けて、
「びっくりしたよね?実はその本傷んでいるから、新しいのと交換するの。」
「あ…そういう事か。すまなかった…はい。」
神奈と言った女に本を渡す
「ありがとう。えーっと…貴方は??」
「俺は、初等部6年魔戦士志望の零崎時識です。…学年四天王の人」
俺の言葉に神奈がビクッと反応する。