ヴァンパイア騎士

□決戦!
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ついにこの日がやってきた。
今日は黒主学園昼間部の女子生徒にとっては決戦の日と言っても過言ではない。
聖・ショコラトルデーだ。
そしてここにも、夜間部にしては珍しいチョコを渡そうとする女子が1人。
遠矢莉磨だ。
先日、支葵の意外なところを発見し、彼からの軽い挑発にのってしまったのである。








『あ〜あ、どぅしようかな…コレ?』







莉磨はポケットに入っている物にそっと触れる。
モデル仲間の子たちに作り方を確認して、留佳と一緒に作ったから失敗はしてないはず。
問題はどうやって渡すかだ。
今まで支葵に何かあげたことなんてないし。
そんなことを考えながら、前を歩いていた支葵をチラリと見る。
支葵はいつの間にか、自分のゾーンに並んでいる昼間部の女の子たちから大量のお菓子をもらっていた。







『なんか…イライラする。』






あんなキャーキャー言ってる昼間部の女子たちと同じなんて嫌だ。
そう考えると何だか渡す気も失せてくる。
莉磨は支葵を追い抜いてスタスタと歩いていく。





「待ってよ、莉磨。」






支葵が追いかけてくる。
お菓子を大量に持ちながら。







『何?』

「チョコ、あるんでしょ?ちょーだい?」





そう言いながら左手をポケットから出してくる。




「莉磨のもらうために空けといたよ?」

『は!?』






よくよく見てみると、大量のお菓子たちは支葵の右腕の中にしかない。
これには何だかあきれてしまった。





『しょうがないなぁ。はい、どーぞ!』

「ありがと。大切に食べるよ。」





ーちゅ。





にっこり笑って莉磨にもらった袋にキスをしてみせた。





『…ばーか//』





END
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