ヴァンパイア騎士

□見かけによらず
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―宵の刻







昼間部の女子生徒が騒ぐ中、みんなと月の寮から校舎へと移動する。
キャーキャーとそこら辺から聞こえる黄色い声に若干うるさいなと思うけど、もう慣れた。
藍堂は相変わらず外面よく手なんか振っちゃってるけど。
ふと前を見たら支葵が眠たそうにあくびをしてた。
呑気なヤツと思ってたら、突然昼間部の生徒が何かを支葵に渡してる。
頬を赤く染めちゃってさ、私には到底できないなと思う。





『ねぇ、さっき何貰ってたの?』





何となく気になって聞いてみた。





「あ〜これ?」





支葵はきれいにラッピングされた袋を既に開けていて、何かを食べていた。





「調理実習で作ったんだって、パウンドケーキ。莉磨も食べる?」

『へぇ。珍しくない?あんたが甘いもの食べてるなんて。好きだったっけ?』

「ん〜あんまり好きじゃないけど…せっかく作ってくれたのに悪いでしょ?莉磨には関係ない話だと思うけどね?」





支葵は意地悪そうに笑う。





『うるさい…』





意外だった。
支葵はそうゆうの貰わないと思ってたし、まさかそこまで考えてるなんて。





私も作ってみようかな…
トリュフならずっと前に撮影を兼ねて作ったことがあるし、ビターならそこまで甘くならないはず。
今度の撮影の時、モデル仲間にもぅ1回作り方確認しよっと。
ちょうど1ヶ月後は例の行事だしね。
びっくりさせてやろうじゃないの。





待ってなさいよ、聖ショコラトル・デー!



END
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