IF…
□志望動機
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『え?オレ、入部を拒否されたんじゃ…』
「いいえ。私達はアナタの入部を認めます。私達の目標は日本一になること。私情を挟んでいるとは言え、アナタがそのために私達の力になってくれると言うなら、話は別よ」
てっきり入部を拒否されたと思ったオレは拍子抜けだ
だが、女子生徒の目は本気だった
「だから、マネージャーじゃなくて、コーチ兼トレーナー。そうすれば、アナタの力で選手達の強化も出来るし、アナタのトレーナー力も上げることが出来、なおかつ、日本一を目指せる。一石三鳥な話でしょ?」
そう言うと女子生徒はニッコリと笑った
『微力ではありますが…』
スラスラともう一度、用紙に必要事項を書いていく
『これでいいですか?』
そこにはしっかりと、マネージャー兼トレーナーと書いた
「うん、オッケーよ!それと、もう一つ聞いていい?」
『何ですか?』
「なぜウチの学校に来たの?弟を変えたいなら、ウチじゃなくて、もっと強豪校に行けば簡単に…」
『他の強豪校は全部、制服がスカートだったんで』
「「スカート?」」
『スカートは履きたくなかったんです』
「そ、そう…。まぁいいわ!改めて、私は、この男子バスケット部のカントクをしている相田リコよ。よろしくね」
『っ!?カントクだったんですね』
「オレは主将の日向順平だ。よろしくな」
『よろしくお願いします!』
「さっそく、明日の放課後に体育館に集合よ!」
『はいっ!』
深くお辞儀をした後、俺は颯太と朝岡の元へ向かうために、待ち合わせ場所にした校門へ向かった
『わり!待たせたか?』
校門へ向かうと、二人はもうすでに待っていた
「結構時間かかったみたいだね?」
「何かあったのか?」
『まぁ、色々とな』
「ま、いいや。帰ろーぜ」
入部希望を済ませた新入生が帰る波に乗ってオレ達も家へと足を向けた
「しかし、朝岡って頭良かったんだな!」
「そんなことないよ」
「いやいや、新入生代表を務めるんだぜ?頭良い奴じゃねーと、フツーなんねーだろ」
『お前の元には一生来ない話だな』
「失礼だぞ!遥輝!」
『本当のことだろ?』
颯太の成績はお世辞でも良いとは言えない
大輝がウチの学校に居たら、どんぐりの背比べだったと思う
おかげで、何度試験前に泣き付かれたことか…
「けど、だったら遥輝も新入生代表になれたと思ったんだけどなー」
『オレは併願者だし、成績もトップだったわけじゃねぇしな。フツーは単願者がやるんだろ』
「遥輝は成績がいいんだね?」
「チョー頭いーよ!」
『チョーじゃねーよ。学年で一位だったわけじゃねーし』
「けど、頭良いじゃん!いつもテストの順位は1桁だったじゃん!」
『お前に比べたらな。お前は両手足の指じゃ足りねぇもんな。何人の両手足が必要だろうなぁ』
「頼むから、それ以上言わないでくれ!朝岡にバカがバレる」
『安心しろ。もう手遅れだ』
そんな話をしていたら、いつの間にか朝岡の家の近くまで来ていたらしい
「じゃあ、オレはこっちだから」
「おう!じゃあな!」
『明日な!』