FIGHT!!(BASKET BOLL)

□謝罪
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翌日



学校に着いたオレは外履きから上履きへと履き替えていた




「ちょっと!翔平!!」




そこへ聞き慣れた声がした




「昨日、あれだけ連絡しなさいって…」




声の主はマコだ

マコはグチグチと文句を言うために上履きへと履き替えているオレをムリヤリ自分の方へと向かせるようにオレの肩を引くと、オレの顔を見て声を失った




『…なんだよ』

「なんだよ、じゃないでしょ!?何なのよ!アンタの顔!!」




高校生に殴られたのは昨日だ

力一杯殴られたため、昨日の今日では顔の腫れも引くわけなく、オレの顔はヒドイ有様だ




『階段から落ちて顔面からダイブしたんだよ』

「そんなことあるわけないでしょ!わかりきったウソつくんじゃないわよ!!」

『…朝っぱらからウルセーなぁ』

「うるさいじゃないでしょ!?」




マコをムシするように教室へと向かうが、色んな生徒がオレの顔に驚いているのか、自然と道が開けた




「まだ話は終わってないでしょ!!」

『終わったよ』

「アンタが勝手に終わらせただけでしょ!?私は終わってないの!!」

『知らねーよ』

「ちょっと!翔平!!」




教室へと向かう道中もマコはしつこく聞いてくる




「誰にやられたの?辰馬!?」

『辰馬じゃねーよ』

「じゃあ、誰!?」

『さぁな』

「はぐらかさないで!!」




教室に着き、自分の席に着くが、隣のクラスであるはずのマコも一緒に教室へ入って来た




『もーいーからクラス戻れよ』

「翔平が吐くまで戻りません!」

『何もゲロするもんはねーよ。何なら今朝の朝食でもゲロするか?』

「バカ言わないでよ!!」




マコとそんな会話を続けていると、チャイムが鳴り、担任が教室へと入って来た




「こら、神崎!自分の教室へ戻りなさい!!」

「だって!」

「だってじゃない!」



担任に怒られたマコはしぶしぶ自分の教室へと戻って行った




「って、日向!その顔どーした!?」




オレの目の前に立っていたマコが教室へと戻ると、オレの顔があらわになり、担任は目を丸くした




『階段から落ちましたー』

「明からさまなウソをつくんじゃない!」

『ホントデース』



担任の問いかけに棒読みで返すと、呆れた担任はため息をついた




「話があるから後で来なさい」

『ハーイ』




この後、確実に根掘り葉掘り聞かれるんだろう

だが、そんなのは想定内だ

朝のホームルームを済ませると、オレは担任に呼ばれ、教科担任室へと通された

自分のイスに座る担任の目の前にオレは立たされている




「で?何があった」

『階段から落ちました』

「それはもういいか正直に話しなさい」

『…殴られました』

「誰に?」

『オレの美貌に嫉妬する誰かに』

「…日向。正直に答えろと言ったよな?」




マトモな返しをしないオレに怒りが募るのか、担任の声がドンドンと低くなっていく




『…高校生っす』

「どこの?」

『さぁ?』

「相手の顔と制服を見たんじゃないのか?」

『オレ、目ぇ悪いんで』

「お前の目は裸眼で1.0あるだろ」

『そうでしたっけ?』




担任の怒りに屈せず、なおもトボけるオレに担任はため息しか出ないようだ



「昨日、石野がお前を殴ったと言う情報がある」

『…』




誰かが教師にチクったんだろう

余計なことをしやがって…




「それは本当か?」

『本当です。けど、それはオレが辰馬をおちょくりすぎたからです。ただのじゃれ合いっすよ』

「…石野は高校生と連んでいると言うウワサがある。その高校生達にやられたんじゃないのか?」

『ただのウワサでしょう?証拠もないウワサで話を進めていくのは止めて下さい』




担任がだんだん核心をついてくる

けど、ここでボロが出たら辰馬に何をされるかわからない




「ウワサなんかじゃない。これは確かな情報だ」

『なら、証拠は?辰馬が高校生と連んでいる時の写真でもあるんですか?』

「……」

『確かに、オレは昨日辰馬に殴られました。けど、小学生の時から付き合いのあるオレと辰馬の間ではよくあることです。辰馬がオレを殴ったことと、その後に高校生に殴られたのは別の話です』

「なら、高校生の特徴と制服を言いなさい」

『だから、わからないって言ってるじゃないですか』

「学校名がわからなくても、制服の特徴とはわかるだろう」

『とっさのことだったんで、覚えてませんよ』

「いい加減、はぐらかすのは止めろ!」

『わからないモノはわからない!!』




そこまで言うと、一限目の始業を告げるチャイムが鳴った




「とりあえず教室に戻りなさい…」

『はーい』





ここまでは何とか、はぐらさせたと思う

けど、この尋問はまだ続きそうだ
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