HIKARI 短編集

□主夫
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黒子side




季節は秋から冬に入りかけた頃

以前は屋上や外で昼食を取っていたボク達ですが、流石に寒さには勝てず、最近は教室内で昼食を取ることが増え、もっぱら遥輝君がボク達の教室に来て、3人で食べることが多くなりました




「おい、知ってるか?コイツ彼女出来たんだぜ?」

「マジで!?誰誰?」

「E組の…」




「昨日、帰ったら母さんに部屋を掃除されてて、机の上にエロ本が置かれててさぁ…」

「うわぁ…やっちまったな…」

「お前はどこに隠してる?」




「今週のマガ〇ン見た?」

「見た見た!やっぱあの子胸デカいよなぁ!」

「お前巨乳派?」

「もちろん、巨乳派!お前は?」

「オレは小さくても形がいい方がいいな!」




昼休みになると、ボク達の教室は比較的男子が多く集まり、これを良いことに男子高校生ならではの会話が繰り広げられます

しかし、目の前の2人は違います




「なぁ、遥輝。この前洗濯洗剤変えるって言ってたろ?どーだった?」

「あー、CMで汚れが落ちるって言ってたから買ってみたけど、イマイチだな」

「マジか。じゃあ、止めよ」

「つーか、お前柔軟剤変えた?いつもと匂いが違う」

「おお、変えたぜ。匂いはいいし、吸収力もあるけど、ふんわり感はねぇな。お前は何使ってる?」




お互い一人暮らしなので、そーゆー話にもなるんでしょうが、男子高校生らしかぬ会話です

まるで、井戸端会議をしている主婦の会話




「そーいや、昨日行ったスーパーで土曜日豚肉の特売するらしいぞ」

「マジか!!」

「土曜日は午前練だから、終わったら買いに行くか!」

「よし!そーしよう!!」




バスケ馬鹿な2人でもありますが、今日はバスケのバの字も出てこないでしょう

今日の2人は完全に主夫です

2人の会話に入って行けないボクは少し疎外感がえりますが、人間観察が趣味でもあるので、引き続き2人の主夫な会話を楽しみましょう




「何か雨降りそうだな…」

「ヤベッ!今日洗濯外に干して来ちまった!!」

「ドンマイだな。俺は危険そうだったから家の中に干してきた」

「言えよ!!」

「いつも火神の方が先に家出るじゃん。言っても遅いだろ」




「ところで、火神。昨日取れかかってたシャツのボタン、付け直したか?」

「あー、やろうしたら裁縫セットが見つからなかった。買ってこなきゃなぁ…」

「明日早めに家に来い。俺持ってるから付けてやるよ」

「マジで?助かる!オレ裁縫苦手なんだよな…」




「あとさぁ、この前ミートパスタ食ってたらミートソース、服に飛ばしちまったんだけど、遥輝そーゆーのどーやって落としてる?洗濯したんだけどスッキリ落ちなくてよぉ」

「ああ、そーゆーのなら食器用洗剤を付けて洗濯機にぶち込んでる。時間の経ったモンが落ちるかどうかはわかんねぇけど」

「今日帰ったら試してみるわ」




2人の会話を聞く限り、主夫としても遥輝君の方が一枚上手のようですね

そんなこんなで昼休みも終わりに近づき、遥輝君は自分の教室へと帰って行きました

また2人のおもしろエピソードがあったら、お知らせしますね
 

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