HIKARI(BASKETBOLL)
□誠凛VS海常 2
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「キャアア‼︎黄瀬クーン!!」
黄瀬がコートに入ると、先ほどまでは聞こえなかった黄色い声が体育館中に響き渡った
正直ウルサイ
「うおわ!?なんじゃい!?」
「あーあれ?アイツが出るといつもっすよ」
いつもなのかよ…
なんとも迷惑なヤツだ…
「……てゆーか」
「テメーもいつまでも手とか振ってんじゃねーよ!!!」
「いてっ‼︎スイマッセーーンっっ」
「シバくぞ!!」
「もうシバいてます…」
「てゆーか!今の状況、分かってんのか黄瀬ーーー!あんだけ盛大にアイサツもらったんだぞウチは〜‼︎キッチリお返ししなきゃ失礼だろが!」
海常ボールから試合が始まると火神は黄瀬のマークについた
だが、すぐにスクリーンをかけられ黄瀬をフリーにさせてしまう
当然、フリーになった黄瀬にボールが渡った
「こっちもアイサツさせてもらうっスよ」
黄瀬はボールを持ってる腕にグッと力を入れるとそのままリングへ叩き付けた
「バカヤロー!ぶっ壊せっつったろが!!まだくっついてんよ!!」
見事なダンクを決めるも、すぐさま主将にドヤされる黄瀬
黄瀬って何処に行ってもヤられキャラなんだな…
ってか、こっちのゴールまで壊れたら試合になんねーよ…
けど、壊せそうな勢いだ
火神より威力がある
その証拠に、ゴールがまだ軋んでる
「女の子にはあんまっスけど…バスケでお返し忘れたことはないんスわ」
「上等だ!!黒子ォよこせ!!!」
どうやら黄瀬は、あの単細胞に火を付けちまったらしい
ま、黄瀬の今の発言には俺もイラついちまった
俺もあの黄瀬に一泡吹かせてやりたい
『カントク…』
「ダメよ?」
『何でっすか!?ってか、まだ何も言ってないっスよ』
「どうせ、試合に出せって言いたいんでしょ?
もちろん、初めから青峰君を出すつもりだったわよ…出すつもりだったけど……」
だんだんカントクの周りにどす黒いオーラが出てくる
「アンタが膝を悪化させるから出したくても出せないんでしょーがっ!!!」
『いだだだだっ!』
俺の頭がメキメキと変な音を出すくらいにカントクに頭を鷲掴みにされた
「青峰君の実力も見たかったし、スタートから出すつもりだったわよ…だけど、朝来てみたら膝の数値が低くなってるし…」
あの日、火神と黒子と特訓をしていた俺は火神へとシュートブロックをした際に火神と強く当たってしまい、よろけた時に怪我していた膝を軽くひねってしまった
「まった…く…」
小さくなっていた俺は、カントクの言葉が途切れた事を疑問に感じてカントクに目を向けると目を見開いたカントクの姿が目に入った
カントクの目線に合わせるようにコートへ目を向けると、まだ始まって3分しか経っていないのに、ハイペースを表す点に驚いた
あんなんじゃ体力なんて持たない
あのバカの熱が冷めてねーのか
火神がムキになればなるる程、黄瀬はそれ以上で返してる
アイツの熱を下げねーと、周りが着いていけなくなる
『カントク…』
「ええ」
カントクも同じこと考えていたようで、TO(タイムアウト)の申請に席を経った