HIKARI(BASKETBOLL)
□過去
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小学2年生のある日
俺たちはいつものように二人で帰っていた
「宿題めんどくせーな」
『めんどくさいって、いつも俺のを写してるだけじゃん。たまには自分でやれよな…』
「計算ドリル嫌いなんだよ」
頭の後ろで腕を組ながら歩く大輝と、こんな会話をするのは毎日のことだった
そんな時、ふと思い出した
『計算ドリル?計算ドリル……あっ!』
「どうした?」
『計算ドリル、学校に忘れてきた』
「はぁ?どーすんだよ!宿題出来ねーじゃん」
『学校に戻って取ってくる』
「じゃあ、俺も…」
『いいよ、一人で行ってくる!大輝は先に帰って計算ドリルでもやってろ』
そう言うと大輝を残して足早に学校に向かった
学校に行くと、自分の計算ドリルがしっかりと机にしまってあった
それを乱暴にランドセルにしまい、すれ違う先生に別れを告げ学校を出た
今までに一人で帰るなんて今までにあったかなぁ?と、考えながら歩いていると、通学路の途中にある公園がふと目に入った
そこには、クラスメートが兄と思われる上級生と遊んでいた
気付くと足は止まっていて、その風景を眺めていた
「あれ?遥輝じゃん!大輝は?」
自分に気付いたクラスメートは大きく手を振っていた
『学校に忘れ物して取りに戻ったから大輝はいないよ?ところで、何してんの?』
「にーちゃんとバスケしてたんだ」
『バスケ?』
当時の俺はまたバスケの存在をよく知らなかった
「そうだ!遥輝もやる?おもしれーよ?」
『うん!やる!』
バスケの楽しさを知ってしまた俺は、その日、暗くなるまで3人でバスケをした
公園にあった時計を見て思いのほか時間が経ってることに気付いた俺は急いで家に帰った
そっと玄関を開けた俺を待ち構えていたのは仁王立ちをした母だった
「遥輝!今何時だと思ってるの?計算ドリルを取りに行っただけで、何時間かかってるの!」
有無を言わさない母の説教は玄関先で父が帰って来るまでグチグチと続いた
ランドセルを置きに子供部屋に戻ると、俺のベッドに横たわりながらゲームをしている大輝がいた
ゲームなら自分のベッドでやれよ…と呟きながら、ランドセルを机の上に置いた
『ただいま』
「遥輝!おせーじゃんか!もうすぐ夕飯だってのに!」
『お父さん帰って来たから、もう夕飯だよ』
大輝にまで説教されるのか、とうな垂れていると…
「夕飯前に遥輝の宿題写そうと思ってたのに…」
まだやってなかったのか!と心の中でツッコむと、大輝はそう言うヤツだったと、納得した
「そーいやぁ、こんな時間まで何やってたんだ?」
『バスケ』
「バスケ?」
『そ、バスケ!大輝もやる?結構面白かったよ?』
俺はコッチの方が良いと、俺にゲームを見せてきて、またゲームに視線を落とした
今のところ、大輝はバスケに興味ないようだった