HIKARI(BASKETBOLL)
□日常
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「遥輝、行くぞ!」
『は?どこへ?』
俺は昼食と食べ終え、午後の授業の準備をしてる最中だった
隣のクラスなのに自分のクラスかのように平然と入って来た火神は俺の目の前で止まると有無を言わさず、手を掴んで足早に歩き始めた
『ちょっ!!火神!引っ張んな!!どこに連れてく気だ!?』
「いいから一緒に来い!」
「試合?オマエらはまだ出れないよ」
俺が連れて行かれたのは主将の所だった
「………は!?」
『だろうな…』
「オマエまで!?なんでなんっ…でっ…すか、主将!?オレの何が…!!」
「あー、じゃなくて…てかお前敬語苦手?」
うん。お前はまず、試合うんぬんより敬語を勉強しょようか
「1年生まだ仮入部期間だろ!?正式な部員じゃねーもん」
『ほらみろ!だから試合には…』
「カントクって何組っすか!?」
「C組だけど…」
「あざっす!」
俺が全部言い切る前にカントクのクラスを主将から聞き出した火神はまたもや俺の手を引っ張って今度は走り出した
廊下を走るんじゃねー!!
そして、手を離せ!俺の手が千切れる!!
「カントクー!!本入部届けくれ!!」
『ウチの火神がすんません…そして、本入部届け下さい』
2年生の教室だと言うのに構わずズカズカと入って行く火神の後を追うように静かに教室に入ると火神に驚いたカントクが牛乳を吹きだしていた
「あー、汚な…なんなのもー今日は…アンタたちも!?」
「『も?』」
「黒子君もさっき同じこと言いに来たの!」
「アイツ…」
「全く!3人そろってどんだけせっかちよ?このワンパク坊やめ!」
「…なんだよそれ」
俺は火神に連れて来られたついでです、一緒にしないで下さい。とは流石に言えずに黙っていた
「まあ、即戦力だし!ベンチには空きがあるから大歓迎よ」
「これで試合に出れんだな!?」
カントクから本入部届けを受け取ると火神はそそくさと教室を出ようとしていた
「あー、ちょい待ち」
俺もペコっと頭を下げて火神に続いて教室から出ようとするとカントクに止められた
”ただし、受け付けるのは月曜朝8:40の屋上ね!”
「…?」
『何か意味ありげだな…』
本入部届けとにらっめっこしてると、図書室の前に張り付けてあった用紙が目に入った
”男子バスケ部 新人戦 関東大会出場”
「へー、ここのバスケ部って結構すげー…のかな?」
『これを見る限り、そうみたいだな…』
「すごいですよ」
突如現れた黒子に声が出ないほど俺たちは驚いた
「テメーは!フツーに出ろ!イヒョーをつくな!!!」
しーっ。と人差し指を口の前に置く黒子に腹を立てたのか、火神は青筋を立てていた
「おちょくってんのか?おちょくってんだよな?オイコラ!」
そう言いながら黒子の頭を鷲掴みにすると、怒りを抑えきれない火神は腕に力を入れ始めた
『火神、その辺にしとけ…黒子の頭から変な音が…』
いたい…。と頭に手をやる黒子に労わるように頭を撫でてやった
当の加害者に目をやると何か考えてるようだった
「おい黒子…」
『黒子なら先に教室に戻ったぞ?』
「そうか…まあ、どーでもいいか、そんなこと…まずは……」
黒子に本気で腹を立てた火神は近くにあった柵を握り潰していた
『気持ちが分からんでもないが、備品だけは壊すなよ……』