HIKARI(BASKETBOLL)

□誠凛高校
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やかましく鳴り響く目覚まし時計を壊れるんじゃないかと言うほどの勢いで黙らせると、まだおぼつかない足取りでカーテンを開けた

空は雲一つない晴天で、桜の花びらが風に乗って舞っていた

今日は誠凛高校の入学式

目覚めの悪い俺は、冷たい水で顔を洗うと、あらかじめ用意しておいた目覚めのぬるいコーヒーを一気に飲み干すと真新しい制服に袖を通し、テーブルの上に無造作に置かれた眼鏡をかけた

サイドボードの上に置かれた遺影代わりの俺と伯父さんが映っている写真に手を合わすと、家を後にした





まだ綺麗な校舎を眺めながら、体育館に入ると、指定の席に座った

周りを見渡せば、ほとんどの生徒が集まっており、各々が中学の同級生たちと会話している

同然の事ながら、俺と仲がよかった同級生たちはイギリスにいるわけで、ここにはいない

ちょっとばかり寂しく感じ、思い出に浸っていると式が始まった

無駄に長い式を終えると各自が教室に向かった

同然、俺は一番前の席だった
















帰り際に行われた部活の勧誘

俺はバスケ部のブースに直行した

バスケ部のブースに男女の上級生が入部希望者を待ち構えるように座っている




『あの、バスケ部に入りたいんすけど』

「じゃあ、そこに座って、この用紙にクラス、名前、出身中学と動機を書いて」




女子生徒に言われるがままに、差し出された紙にペンを走らせ提出した




「青峰遥輝君ね。えっと…出身中学は…どこ?」




出身中学のカタカナ表記が分からなくて英語で書いてしまったため、読めなかったのだろう




『小4から中学までイギリスにいたんで、出身中学はイギリスの中学になります』

「へぇ、イギリスにいたのね!バスケの経験は?」

『一応、あります』

「えっと…志望動機が空欄なのは?」

『特にないからです。イギリスにいたんで、どこの高校がバスケ強いとか弱いとか、よく知りません。ここを選んだ理由はイギリスの同級生の友達がこの学校でバスケやるって聞いたんで、ここに来ました』

「随分と適当だな…」




女子生徒の隣に座っていた眼鏡の男子生徒が独り言のようにつぶやいた




『強いて言うなら、弟に勝つために弟とは別の学校を選びました』

「弟…?青峰…?えっ?もしかして、キセキの世代の青峰大輝と関係者ある?」

『キセキの世代?よく分かんないっすけど、青峰大輝は俺の双子の弟です…』

「あの青峰大輝に双子の兄がいたのね…知らなかったわ」

「てかお前、キセキの世代を知らないのか!?
ってまぁ、イギリスにいたなら知らなくても当然と言えば当然か…」

「いいわ、説明してあげる。キセキの世代とは、無敗を誇る帝光中学バスケ部に10年に1人の天才が5人同時に存在していた世代のこと
そして、青峰大輝はその中の一人よ」

『へぇ…そうだったんすね。なら、俄然やる気がでました。アイツが強いのは知ってましたけど、強いなら強いほどやりがいがある』

「そうこなくっちゃ!私たちもお遊びでバスケをしてるんじゃないわ!!やるからには日本一を目指すわよ」

『分かりました!よろしくお願いします』



バスケ部のブースを後にすると、家路についた

彼が俺の姿を見て驚いてるとも知らずに…
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