短編
□愛は恐怖にも似て
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「ジノ、欲しい」
広く柔らかなベッドの上。
獣の体制で交わる僕たち。
後ろから奥を突かれ、中心に熱が籠もる。
大きすぎるジノのそれは、容赦なく僕の中を抉り、僕から快楽を引き摺り出していく。
過ぎた快感は恐怖に似ている。
まるで、罪人である僕を苛むかのようだ。
ジノに抱かれているときだけは、全てを忘れられる。
その力強くも優しい腕が、今生きている現実を、忘れさせてくれる。
そしてそれと同時に、血と罪に塗れた僕を、死ねない僕を唯一罰してくれるのもジノだ。
だから彼に身を委ねる。
彼に抱かれる。
彼に、快楽の坩堝へと陥れられる。
もっともっと奥を突いて。
僕を苛めて。
きみなしでは生きられない身体に作り替えて。
そして最期に、僕を切り捨てて。
それが僕に対しての、一番の罰だから。
愛するきみが、いつか僕を軽蔑するといい。
あとがき
アーニャのマゾ発言に触発されて書きました。いろいろあって病んでます。