夢の奏で

□8. カラフル
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「本日はアリス祭を無事迎える事が―――・・・。」

『・・・・・・。』



すごくいい眺め。
生徒全員がこちらを見てるという、何とも言えない光景。

私はなぜかステージの上に。
只今、学園総代表のご挨拶中。
総代表の名前は・・・うん、忘れた。

そう、今日は文化祭――アリス祭。

あれからペルソナからの罰則もなく、(というか音沙汰もなく)任務もなかった状態でアリス祭を迎える事になった。

正直、気持ち悪い。
嵐の前の静けさ?的な感じで。


『・・・棗。』

「・・・何。 」

『おうち帰りたい。』

「どこのガキだよ。」



私は隣で暇そうにしている棗に声をかけた。

お互い顔を合わせず、正面を向いたままの会話。
聞き取れるのも本人たちだけで、会話してると分かる人はそうそういないだろう。



『うー・・・
眠いよー、棗ー。』

「・・・俺にふるな。」



今棗がどんな顔をしてるか分からないけど、ものすごくあきれている気がする。

こっちは本気で眠くて頭カックンいきそうになるのこらえてるのに!!

口に出さずに頭の中だけで文句を言ってしまうのは、ここが執行部の座るステージ上だからか、それとも口を開く気力すらないか。


そんなどうでもいいことを考えているうちに総代表挨拶が終わり、テープカットへ。
私は目覚めぬ脳にムチを打って立ち上がり、はさみをもった。










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