夢の奏で

□4.光と影
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「お願いしますー!」


今、佐倉サンは日向君に向かって泣きながら土下座をしています。


こんなことをしなくちゃいけなくなったのは・・・
神野先生のおかげ。








***








アリス学園の生徒には、
毎月星階級別にお小遣いが支給されます。

スペシャル(日向君、私)→3万円
トリプル(今井サン、乃木君、委員長)→1万円
ダブル(パーマと言われている子)→5千円
シングル(心読み君、他)3千円


星なしの佐倉サンは・・・

5百円。





「・・・・・・。」
『五百円貯金って結構貯まるよ?』

「ひなた・・・うらやましーッ!!!」



私や佐倉サンにとって、初めて支給されたお小遣い。


私の言葉は佐倉サンに対してフォローになっているのだろうか。




「よーし!
今日は土曜日だし、午後はセントラルタウンにくりだそーぜー!!」

「セントラルタウンって何ー?!」



クラスの男子の言葉を聞いて、元に戻った佐倉サン。

この子、さっきまで落ち込んでなかった?




「百聞は一見にしかず。
アンタも一度行ってみれば?」


佐倉サンは今井サンの言葉に目を輝かせ、デートに誘われたと騒ぎまくる。


そんな楽しい話は、ある人によって危なくなるのだった。






「星なしのお前がセントラルタウンに・・・?
却下。」

「何でーっ!!?」


廊下を走っていて神野先生に捕まってしましました。



『ありゃりゃ。』



私は佐倉サンの後ろからその様子をみて、呟いていた。



相変わらず厳しいな、ジンジン(神野先生)。



「まぁまぁ、神野先生。」

『許可下さいよー。
誰も悪いことなんかしませんよ。』


鳴海先生と私が間に入って交渉してみる。


神野先生は渋々、条件付きの許可を出してくれた。


が、その条件は佐倉サンにとって非常に最悪なもので・・・。





***








セントラルタウンに行くための条件↓

パートナーが同行。



佐倉サンのパートナーは日向君なわけで・・・。

土下座をして頼み込んでいる今の状況に至る。




「・・・何のマネだ。」

『パートナーと一緒じゃないと、セントラルタウン?に行けないんだってー。』



疑問系なところは気にせずに。

実際、私もセントラルタウンに行くのは初めてなのだ。



「・・・知るか。」



佐倉さんは下げてた頭を上げ、日向君の膝に座っている男の子を凝視した。



「かわいー!!
何その子?!あんたの子?」

「燃やすぞてめぇ・・・。」



日向君の膝には、3、4才くらいの小さな男の子が座っていた。












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