夢の奏で

□3.特力系
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「なーなー、蛍は何系?」

「技術系。」

「委員長は?」

「僕は潜在能力系。」

「野乃子ちゃん達は?」

「「私達は蛍ちゃんと一緒ー!」」

『わぉ、皆バラバラ!』



教室ではなにやら佐倉さんが能力別クラスのことについて悩み、呻いていた。



「ギャー!!
ひなた、いつからそこにいたんや?!」

『能力別クラスのことについて話し始めたところから。』

「最初からやん・・・。」



佐倉さんはびくびくしながら、心臓あたりを押さえていった。

そんなにびっくりしたのかな?リアクション良かったね!
さすが関西人。 


心の中で佐倉さんを褒め称えたあと、私は席に戻った。

さっきの集まりにはいつの間にか登場した鳴海先生が入り、説明をしている。



『乃木君は何系?』

「・・・体質系。」

『そーなんだ。
あれ、そういえば日向君がいないねー?』



私は今気づいたことを率直に言った。

まぁ、いない理由はほぼ分かっているけど・・・。



「棗は結構、いないとき多いから・・・。」



乃木君は悲しい目をしていた。

心配してくれる人いるんじゃん。
なのに何で任務なんか・・・?



『・・・あ。』



疑問にもってみると、案外すんなりと答えがでてきた。

記憶の中にある、炎の中の少年の姿。
もしかして。



『・・・日向君ってさ。』

「・・・?」



乃木君は不思議そうに私をみた。

私は首を傾げて呟くように、問いかけた。



『昔、大規模な火事にあったこととか、ない?』

「・・・・・・!!?」



乃木君は私の質問を理解したとたん、勢いよく立ち上がった。



「ひなたー!
ウチ、特力系なんやて!!
ひなたはどこなん?」

『私も特力系だよ♪』

「そっか、同じアリスやもんなー。」



乃木君が立ち上がったのと同時に、佐倉さんが現れた。

私と同じクラスだと知ると、えへへッと笑い、すごく嬉しそう。



「あれ?
どうしたん?ルカぴょん。」

「えっ。」

『何でもないよ、佐倉サン。』



私は乃木君の代わりにすぐ答える。
乃木君は、まだフリーズ状態だ。



「ひなた、その佐倉さん言うのやめてくれへん?」

『え〜。そこらへんは気にしn「ちょっと来て!!」はーい。』



乃木君が我に帰ったことにより、佐倉さんとの話を中断され、私は廊下に連れ出された。








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