小説、詩
□蜃気楼固定化装置
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18:00――
知ってる?
白い鳥、あなたが飼ってる白い鳥
いつか、蜃気楼みたいにうすぼんやりしてきたら
私は死ぬわ
そしてあなたはカップを置く
ふちが欠けて、ミルクティーに落ちた
外が騒々しいのがわかる?
耳を澄ましてごらん
あの音は猫が走り去る音
あなたの頭の中で
新聞紙を丸めて捨てた
あの音は紙ひこうき
空を
割いて進む空を
そして
あの音は蜃気楼
古い子守歌のかたちをした
消えないはずの蜃気楼
そう、消えないはずの蜃気楼
時刻は現在、「18:00」