拍手作品集

□第3回拍手
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♭清田信長の場合


「はい、ノブ!」

「…なんだよコレ」

「チョコだよ、チョコ。今日バレンタインでしょ!」

「そういえば…」

「ほんとバスケ馬鹿だね、ノブは。バスケのことしか頭にないんだから!」



そんなことを言われ、クスクス笑われた。
でも、忘れてたなんてホントは嘘で。


期待ばっかりして、もし貰えなかったら悲しいから、あえて今日という日を気にしないようにしてた。

こう見えて、実は傷付きやすい俺。


それなのに、まさかの収穫だ。

コイツから貰えるとは思ってなかったから…正直びっくりしている。



「どうしたの?口元にやけてる」

「に、ににっにやけてねぇよ!!変な言い掛かりつけんな!!」

「ムキになってるし」

「なってねぇよ!」


こんな大声で反論したって何の説得力も無いだろうに…

素直になれない俺は、天の邪鬼な言葉しか出てこない。

ガキな自分が嫌になる。





「私のチョコ、そんなに嬉しいの?」

「ばっ…!!別に義理チョコなんか貰ったって嬉しくねぇよ!!」


「へ?これ義理じゃないよ?」

「…は?」




「本命チョコだもん」





「……」




神様、俺に勇気を!!!



「…あ、ありがとよ」

「え?聞こえないよ!」



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