<小説>Rainy


□1.雨、時々虹。
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朝。

珍しく自分から起きた。


時刻は7時10分。

あと20分もすれば、この目覚まし時計は騒ぎだす。


うーん。



感心。


我ながら良く今日は起きた!


まだ頭がそんな醒めても無く、別段急ぐ必要も無く。


ゆっくりゆったりと支度してた。


外は小雨が降っている。


私の部屋は2階。


とりあえず下で朝食を‥、

 「あら?

あなたまだ居たの!?」

階段を下りながら母の声を聞いて。

そりゃあ、この時間ならまだ‥。

まだ…‥。


リビングの時計が目に入った。





8時23分。





急いで階段を駆け上った。



目覚まし時計を凝視。



うん。

7時10分。


 「ははは‥」


笑いたくなった。
最悪だ。

たまにあるよなぁ。
‥こういう事。


とりあえず走り出して。


玄関までダッシュ。


 「あら?ご飯は良いの?」


いや。
食べてる時間無いって!!!


心の中でツッコみ、
玄関を大きく開け放った。


髪の毛は整えたけど、小雨くらいなら傘は要らない。


というよりは、傘は持たない方が早く走れるってモノだ。



私は地元の公立高校に通っている。

理由。
遠くは面倒だから。

走れば10分かからないので、上手くいけば出席。



頑張れ私っ!



この曲がり角を曲がれば学校はすぐ。




何だけど‥。

でも、その曲がり角で。


何だか変な人を見た。





大きな黄色のレインコートを着て。
顔まですっぽりかぶってしまっている。

これでも十分だと思うのに。
さしていないけど手にはとても不思議な色合いの傘。


近くまで来て彼は同い年くらいだとわかる。






すれ違う。






その時。


彼が笑った気がして。






 「雨、好きか?」







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