へ夕利あ

□一番最初に
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最近仕事が忙しいらしくて
暫くフランシスに会ってない
(別に会いたい訳じゃないけどなっ!!)

パーティーのある誕生日までには
終わらせると言っていたから
もう終わっている筈だ
(仕事に関しては
 あいつも嘘吐かないし)

そのパーティーよりも前に
取り合えず早くお祝いを言いたくて
(人前で言える自信もないし)

一所懸命奇麗な格好して 花持って
扉を開けたら なにかにぶつかった





「っづっ」

「あっ悪ぃ 大じょ...っ何でお前が家の前にいるんだよばかぁっ!!」

「...人に扉ぶつけておいて 馬鹿はないよね ふつう」

「......今度から確認して開けるようにする......」

「よし...あれ?今日何かあるのか?」





何かって言うのはフランシスで
驚いてついばかって言ったら 注意された



譲歩したら 額に当ててたてをとって
まじまじとこっち見て
有り得ない事を言われた  から怒鳴った





「お...ま...今日何の日か覚えてないとか言わないよな?」

「...今日なんかあったっけ?」

「こっのばかぁっお前自分の誕生日くらい覚えておけっ!!国民に失礼だろうがっ!!」

「え.........今日ってもう7月14日?」

「そこから知らなかったのかよ 呆けたのかっ!?」





って言ったら
目をぱちぱちさせながら唸りだした



...本気で解ってなかったのかよ
こいつん家の上司は何やってんだ?

と 考えたところで思い出した





「......まぁ 良い ...ん」



「別に祝いたくて祝ってる訳じゃないからなっ!!祝わないと俺の紳士の良心が痛むだけだからなっ!!」





俺はこいつみたいな
上手い事は言えないから
ただ取り合えず胸に押し付けた



いつ来るか判らないこいつの脅威から
必死に逃げながらずっと育ててた
白いアイリスと真紅の薔薇の花束





「......おめでとう フランシス...お前ん家の言葉で言えれば良かったんだけどな...っ」





いざ言ったら何か恥ずかしくなって
俯くようにして少し目を逸らした



そしたら花束を持っていかれて
そのまま抱き締められて

またばかって言ったら
口付けられて 舌まで入れられた


フランシスとのキスは嫌いじゃない
(寧ろ好きだけどっ)
だからつい 俺からも舌を絡めた





「ありがと アーティー」

「っ先に口で言えっ」

「口?」

「言葉っ!!」

「いやーだって お前可愛いんだもん」

「だもんじゃねぇばかぁっ!!......はぁ...行くぞ」

「行くって どこに?」

「.........お前の誕生パーティーだろ......丁度良くスーツも上物だしな」

「え あぁ うん なに?一緒に行ってくれるの?」

「菊と約束しちまったからなっ!!ほらっ花瓶に入れてやるから 花も置いて行けっ!!」





何か色々馬鹿な事を言われたけど
菊と約束したのは本当



貴方が迎えに行って差し上げるだけで
フランシスさんは喜ばれると思いますよ



何て言われて ついうっかり
(何かさっきから俺
 つい が多くないか...?)





その時の乙女な思考を思い出して
いたたまれなくなった俺は
花束を半ばもぎ取るようにして
フランシスに背を向けた





途中で



帰りも寄って良いって事?



なんて言われたからばかぁって返したら



かっ可愛いとか言われた



くそう......






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