忍たまテキスト2

□祖母
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俺が忍術学園に入学した時
暑い日だったのにばあちゃんはずっと門の外で待っててくれた
ばあちゃんのそばへ駆け寄ると、冷たい水が入った水筒を飲ませてくれた
俺はごくごくそれを飲んで、半分ばあちゃんにあげたが、ばあちゃんは
「ばあちゃんは 喉が渇かない」
と言って俺に全部飲ませた


深夜、おしっこに目が覚めたら、ばあちゃんがまだぞうりを作っていた
ばあちゃんはぞうりを売って俺の学費を稼いだ
俺も手伝うよ、と眠い眼を擦りながらわらを掴むと、ばあちゃんは
「ばあちゃんは 眠くない」
と言って俺を寝かしつけた


学園の食堂で真っ白なおにぎりが3つ出された
ばあちゃんと俺は、白いごはんはたまにしか食べられなかったから、一つは俺が食べて、二つはばあちゃんのお土産にこっそりふろしきに入れた
家に帰ったらばあちゃんはおにぎりをみると
「ばあちゃんは お腹が減らない」
と言って俺に全部食わせた


一人前の忍者になって、初めてお給料を貰った
病気の治療代という名目でばあちゃんに仕送りをしたら
「ばあちゃんは 欲しがらない」
と言って俺に全部返した



「ばあちゃん、もう休もう」
と俺が言うとばあちゃんは
「ばあちゃんは 疲れない」
と言った



布団の中で、動けなくなったばあちゃんの手を擦った
まだあったかい手の甲はひび割れやたこや傷でガサガサだった
「ばあちゃん、痛かったろう、さぞ痛かったろう」
と俺が泣くとばあちゃんは
「ばあちゃんは 痛くない」
と言って眼を瞑った




俺に全てを与えて軽くなったばあちゃんの体がもくもくと天に昇っていく様を、俺はずっと見送った











………………………………
元ネタは中国のコピーライター大賞の広告より。
あまりにも泣ける作品だったので…ってこんな形で使うなって話だごめんなさい。
半助ってばあちゃんっ子だったよな。乳母さんだっけ。
最後は自分の言葉でしめました。

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