忍たまテキスト2

□御守
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「皆聞いてくれ!」
「何だ伊作?」
「どうした!」
「面白くない話だったら許さんぞ」
「…」
「手短にな」
「今日乱太郎に聞いたんだけど、あの利吉さんが極度のスランプで何をやってもうまくいかない日々が続いたらしい」
「ああ、その話なら俺はしんべえから聞いた」
「…きり丸も言ってた」
「先日傷だらけで学園に運ばれるのを見たな」
「かなり酷い怪我だったんだって?」
「それがどうかしたのか」
「スランプを乗り越える為にはまず疲れを癒すことが大事なんだって。だから僕も温泉に」
「「「「いやお前(いさっくん)のはスランプじゃないから」」」」「ぼそ」
「何だよ皆!僕の不運を一生ものだと決め付けてるだろ?!畜生、見てろよ!休養をとって生まれ変わった僕を見て恐れ戦くがいい!」
「いさ…あー、いっちまった」
「もんじろー以上の暴走列車だなー」
「んだと小平太。聞き捨てならねえな」
「…大丈夫か…」
「無駄な努力だと諦めて帰ってくるのを待つしかないだろう」



「…ただいま」
「おかえり」
「おお、うわさをすれば」
「早かったな」
「やっと自分の不運を認めたか」
「…何か変わったか?」
「うん、どんなに休養をとろうが温泉につかろうが僕の不運は先天的なものだってよくわかったよ」
「そうか」
「よかったな!」
「それがわかっただけででっかい進歩だ」
「…元気だせ」
「して、その手にあるものは何だ」
「うん、僕のパートナー、お守りの「まもちゃん」だ。彼とこれから不運を分かち合うよ!」

「進歩してねえ…」
「進歩っつーか退化してんじゃねえか…」
「だめだこりゃー」
「…がんばれ」



「同室で不運を日々分かち合っている俺は一体…」
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