忍たまテキスト2

□天罰
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「ねえ、先生」
「どうした?眠れないのか」
「うん、ちょっと考え事。あのさ…神様って、俺たちが寝てるときもずっとおれ達のこと見張ってるのかな?」
「見張ってなんかいないさ。俺たちが怪我や病気をしないようにずっと見守ってくれているんだ」
「でも、いつも見守ってるとは限らないよ。悪いことしたら天罰が下るんでしょ。おれ、やっぱり見張られてる気がする」
「きり丸、これから俺がいう事は誰も知らない秘密の話だ。よく聞くんだぞ」
「秘密って?」
「神様のことさ。実はな、神様は悪いことをしても天罰は与えないんだ」
「嘘だぁ!だって悪いことしたら天罰が下るって和尚さんもみんなみんな…」
「でも、神様は皆に平等だ。悪い人だけを咎めることはしない。そうだなあ…たとえば、きり丸が道端におちてる小銭を拾ったらそれは悪いことだろうか」
「それは…天の恵みだからおれのもんだよ。拾ったもん勝ち」
「なら、もし小銭の持ち主がなくして困っていたらどうしようか」
「…うーん」
「それが盗みだとしたら、きり丸は悪人になってしまうな」
「お、おれしょっぴかれるの嫌だよ!先生そんなことしないでしょ?」
「当たり前だろう、たとえ皆がお前を悪人と責めようが俺はお前の味方だ。そして神様もな」
「神様もおれの味方してくれるの?おれに罰を下したりしない?地獄に落とされたり…」
「しない」
「じゃあ、お寺の和尚さんの話はみんな嘘なの?」
「半分嘘で、半分本当だ。これはえらい和尚さんでも知らない秘密の話だからさ」
「…でも、それじゃあ世の中悪いことする人でいっぱいになっちゃうじゃん?いい奴は騙されてばっかで嫌な世の中になっちゃうと思うけどなあ。乱太郎なんて毎日酷い目にあってばっかりになっちゃうよ」
「そうだな。それじゃあいい事している人たちが可哀想だな。よし、この話の続きはまた明日してやろう」
「えー!すごく気になるよ…。ちぇ、じゃあ明日必ずだよ!」
「ああ、約束だぞ」
「約束だかんね!おやすみ」
「おやすみ」

「…先生、あのさ、先生の授業、いつもこんなんだったら面白いのに」
「お前いつも一言多いぞ…」
ろうそくの火を消し、俺たちは眠りについた。






……………………
この続きは私が忘れなければ続きます。ひ土井。

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