忍たまテキスト2

□雨粒
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透明な光の粒が空から降り注いでいる。

ぱたぱた ぱたぱた ぱたぱた

止め処なく降り注いでいる。


大昔からそこにいた巨大な樹木の元、微動だにせず、五感全てを用いて光の粒を追いかけた。
蜘蛛の巣にひっかかった光の粒たちは見る角度によって無色透明に、虹色に変化し、視覚を楽しませてくれる。

ぱたぱた ぱたた

葉の上にも降り立ち、やさしい緑をより一層鮮やかに見せてくれる。

きらきら きらきら

ひそやかな光の声

ぱたた きらきら ぱたた

音の広がりは波紋のように、規則正しく奏で合い、共鳴し合い、世界にまた新たな波紋を落としていく。

「ご一緒してもいいですか」
至極自然に、異なる音が空気を振るわせた。
それは一瞬にして大気に溶け合った。
「やあ、今日は一段と光が綺麗だよ」
「いいですね。空気もいつもより澄んでいて。実にいい」

人のよい和やかな顔が笑みを刻む。
心地よい沈黙が彼と、彼と、世界の間に流れた。

「今日は相方は?」
「雨の日は憂鬱だそうです」
「そうそう雨が好きな人はいないか」
「僕は好きです」
ああ、共鳴した。
「奇遇だね。私も好きなんだ」
空気のわずかな振動がとても心地よい。
「いいですよね、雨。皆はじめじめして嫌いだっていうけれど。僕は雨の日はいつもとちょっと違った世界を垣間見ることができて…とても興味深いと思うんです」
「ああ…そうだね」

再び訪れる、柔らかい沈黙。

「不思議だな…。生命の源が空から形を変えて降り注いでいる」
「ええ。自然の摂理は本当に少しのずれもなく、巡り巡って、光に還って、形を創って、まるで」
慈しむように目を細めて、静かに息を吸い込む。

「命そのものです」

「…私が見ているものと君が見ているもの、それは互いに異なる世界のはずなのだけれども、確かに今、君の見ている世界に共感している」
「それはきっと、僕らが同じ世界を見ているということでしょうね」
「ああ、そうか」

ぱたた  ぱた

「これが共鳴なんだね」

ぱた ぱた  ぱたた


「聞こえるんです、雨粒のささやき声みたいな…。気のせいかなって思ったんですけど、確かに僕の耳には聞こえるんです」
相方には「子供みたいだ」とからかわれるんですけど、と照れながら笑う彼の顔は子供のようにあどけなかった。
「君は水のような人だなあ」
思った事をそのまま口にする。
「みず、ですか?」
「うん。最初は誰からも親しまれるお天道様のようだと思っていたんだけれども」
まるでそう、命そのものを体言したような、彼の数珠のような言葉の数々。
「…そう言ってもらえると…なんだか嬉しいです。ありがとうございます」
朗らかに笑う、その笑顔は無色透明。



「今日はこうしてお話ができて楽しかったです」
「私もだよ」
「雨がもっと好きになりました。じゃあ、僕はこれで」
「もう一人の君によろしく」
「はい」










………………………
脳を全く使わずに感覚で書きました。
ゆえに恐ろしい日本語の誤使用、乱文が…ああ恐ろしい。

わかる人はわかると思いますがacidmanめっちゃ好きです。

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