仙子ちゃんと伊作子ちゃん話其の2

□ぽっと?
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「買ったのか?その…」
「あ、うん!このiPodお母さんが誕生日に買ってくれたの!」
「…そうか」
「仙子も使ってみる?」
「あ、いや。ポットはもってるから大丈夫だ」
「…そう(ポット…?)」
「ところで、そのポットはどうやって湯を沸かすんだ?」
「…やっぱり仙子勘違いしてる。これはiPodって言って音楽聴くんだよ」
「……………」
「これから二人でお店いってみてみようか」
「…うん」

仙子、たまに時代遅れなところがあるんだけど…自分の興味ないものは完全スルーというか。
でも、さっきの顔真っ赤な仙子、すっごく可愛かったな。
ポットとPodか…可愛いなあ。



「たくさん色があるな」
「可愛いね。仙子はどの色が好き?」
「これ」
「やっぱり赤かあ。仙子赤好きだもんね」

…別に好きな色というわけじゃない。
伊作子が持ってたから…それだけ。



「結局買っちゃったけど大丈夫?まだ高いから…」
「大丈夫だ。ええとここを回すのか」
「実は私も今日初めて使うんだ。えっと…あれ?あれ?上手くまわせないよ?」
「こうだ」
「あ、ありがとう!こう…っあれ?」
「だからこうだ」
「うん分かっ…あれ?」
「…」

回しすぎたり回んなかったりで不器用な私を仙子が笑った。
うう…いいや。
たくさん音楽入れて仙子より使いこなしてやるぞ!



「おはよ!昨日iPodに音楽入れた?」
「少しだけどいれてみた」
「どれ?聴かせて………………」
「…………どうした?」
「なにこれ…」
「インド映画のサントラ。東洋のハリウッドと呼ばれて」
「あ、いやそうじゃなくて、曲…」
「ああ。ラジニカーント歌う『ORVAN ORVAN』だ」
「なんと…」
「お前のも聴かせてくれ」
「うん、いいよ」
「……………………なんだこれ」
「チャングムの誓いの主題歌の『オナラ』だよ。すごく面白い韓流ドラマなんだよ!」
「な、なんというか………あちらの国の長閑かな田園風景を垣間見たよ」


伊作子と私が趣向他もろもろ噛み合わない事は重々承知していたが…音楽にまで及ぶとは思わなかった。
せめて音楽くらいは、と期待した私がバカだった。

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