忍たまテキスト5

□燃尽
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「土井先生ー」
「ん、兵太夫か」
「先生、三治郎が最近元気がないみたいなんです」
「三治郎が?」
「一緒にからくりを作っても楽しそうじゃないし、なんだか落ち込んでるみたいで…」
「よし分かった。話を聞いてみよう」
「ありがとうございます!」


「おーい、三治郎ー」
「土井先生…」
「兵太夫から聞いたぞ。元気がないそうだがどうした?」
「…今週になってから、からくりを作っても仕掛けても全然楽しくないんです。先週までは毎日兵太夫と一緒にあちこちにからくりを作ったりするのが楽しくて楽しくて仕方ないくらいだったのに…僕、どうしたんでしょう…」
「ふーむ、どうやら『燃え尽き症候群』になってしまったようだな」
「燃え尽き症候群?」
「好きな事に全力で打ち込みすぎてしまうと今まで高揚していた気分が急に冷めてしまい、何もやる気が起きず無気力になってしまう。それが燃え尽き症候群だ」
「そうなんですか…こうなった時はどうしたらいいですか?もう前のように楽しい気持ちでからくりを作る事はできないんですか?」
「できるさ。燃え尽き症候群から脱出したければいつもと違う事をしてみろ。毎日同じ事をしていたらいくら好きな事でも退屈してしまうからな。何事も『やりすぎ』は体に毒だぞ」
「好きな事も退屈になるんですか?」
「ああそうだ。無気力になるという事は大抵体が違うものを欲しがっている場合が多い。ならば普段やらない事に着手して気分転換をはかるのが一番だ」
「でも…もし普段やらない事をやってみて、そっちの方がからくりより面白かったら…」
「私はそれはそれでいいと思う。だが、本当に自分が好きな事なら早々気持ちが揺らいだりしない。一旦手放す事で改めて面白さを再認識でき、今まで以上に打ち込めるようになるぞ」
「本当ですか?」
「ああ」
「よかったあ…また兵太夫ともっとからくりを楽しく作ることができるんだ…。先生、ありがとうございます!」
「よかったな。よし!では気分転換の一環として、先生と明日の授業の予習を」
「いえ、遠慮します…」








……………………………
これ作った私が燃え尽き症候群です。

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