リクエスト小説

□Just kidding!!
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「月本先生は、お付き合いしている人、いらっしゃいますか?」

シルバーフレームの眼鏡の奥。底の見えない瞳に、すべて絡めとらそうになるのを、私は寸でのところで堪えていた。

「いえ、今は…いません」

なんの脈絡もない、突然の質問に、私は年甲斐もなく期待してしまっている自分に気づいた。

隣を歩く白衣を纏った彼からは、ほんのり薬品の香りがする。日に当たったことがないような、白く透き通る肌は、私をどうしようもなくドキドキさせた。

「えっ、と。岬先生は…」

放課後の廊下は、いつもとはうって変わって静まり返っている。テスト一週間前に入り、部活動が休みになっているからだ。

「僕ですか?いませんよ」

ピアノ線のような、繊細な指先が髪を耳にかける仕草が堪らなくセクシーで、思わず目を奪われる。
岬先生の言葉に、私はますます期待を深めた。これは、もしかして。
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