短編小説

□ハーフタイム・ティーン
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男子バスケ部の西森と、池ちゃんこと池田は、私が普段からよくつるんでいる男友達のうちの二人だ。

基本的に、男バスと女バスは仲がいい。
練習は別々なものの、トレーニングやミーティングは一緒なため、先輩後輩関係なく交流がある。同学年の男バスの連中とは、一緒にいて気楽だし、楽しいせいか、こうして部活終わりに話したりすることも珍しくはなかった。
それは私がこういう性格であるせいかもしれない。女子と恋愛談義に花を咲かせるよりも、男子と馬鹿でくだらない話をするほうが性に合うのだ。

その中でも特に、西森と池ちゃんとは部活終わりにこうして一緒にいることが多かった。
二人とも私と同じ、中学時代からバスケ部で、他校とは言えど試合会場でしょっちゅう顔を合わせていた。当時はほとんど話さなかったけれど、こうして同じ高校に入学してから意気投合するまでに、そう時間はかからなかった。

ちょっと説教臭いけど、友達思いの西森と、バスケは下手くそだけど、面白い池ちゃん。
恋愛談義に花を咲かせるわけでもなく、真面目な相談をするわけでもない。ただ馬鹿で、くだらないな話をして、ゲラゲラと笑う。
私はそういう、男同士特有の空気が大好きなのだ。

なのに―――私は目の前でベラベラと喋り続ける池ちゃんの姿を見ながら、

『大学の違う学科の教授に恋しちゃったらしくて。その教授を追って今度転科するんだって!』

ついさっき部室で話していた会話の内容を思い出し、それと重ね合わせていた。
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