短編小説

□ハーフタイム・ティーン
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「お父さん?」
「西森が!?」

二人は揃って目を丸くすると、ワケがわからないと首を捻る。私はそんな二人に「そっ!お父さん!」と言って、続けた。

「ちょっと説教臭くて、心配性で、お節介な親父」

笑顔でそこまで言うと、西森は大きくため息をつき、うなだれた。だけどそれとは対照的に池ちゃんはゲラゲラと手を叩いて笑っている。
そんな二人の様子がおかしくて、私も池ちゃんと一緒にゲラゲラと笑った。すると、少しだけ肩を落とした西森が、

「池田。お前…彼女できたからって、あんまり調子のんなよ」

恨みがましい目で池ちゃんを睨みつけ、そう呟いた。

「っえ!池ちゃんに彼女!?」

突然のことに驚いて。私はそれまでのゲラゲラ笑いを引っ込ませると同時に、池ちゃんの傍へにじり寄った。
すると池ちゃんは

「そうそう、俺、彼女できたから」

と、どこか自慢げにそう言って、私と同じように肩からかけていたスポーツバッグを地面に下ろし、その上にどっかりと座り込んだ。

「昨日告られたんだよ」

池ちゃんは私が質問攻めにせずとも、勝手に喋り出した。西森はそんな池ちゃんを見ながら、何度も聞かされているのだろう、うんざりだと顔をしかめる。
私と西森がちゃんと聞いているのか確認することもなく、一人でベラベラとことの成り行きを話す池ちゃんを尻目に、私は全く別のことを考えていた。
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