庭球

□誕生日の憂鬱
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今日は10月4日。
俺様、跡部景吾の誕生日だ。

しかし、今日は学校に行きたくなかった。
そうは言っても、生徒会長であり、テニス部の部長でもある俺様は、学校を休む訳にはいかない。

だから仕方無く登校した訳なんだが…


「…」

何だ、この下駄箱は。

目の前には自分の下駄箱。そしてその中にははちきれんばかりの(実際はちきれているが)プレゼント。
3年目にもなると流石に馴れはしたが、やはりこれには毎度の如く呆れるというか、困らせられるというか…。

自分より少し後ろにいた大きい人物に目を向ける。

「おい、樺地」

「ウス」

「ゴミ共を部室に置いてこい」

「ウス」


…よし。ここはクリアーしたな。


その時、どどどど、という音が廊下の向こうから聞こえてきた。


「ちっ…もう来やがったか…」

ここからが最大の難関だ。


ったく、よく飽きもせずにこう毎度毎度できるぜ。

だが運が悪かったな。

俺様は氷帝の男子テニス部でNo.1の男だ。
足だってそこら辺のメス猫共に負ける訳が…

…おい、はさみうちかよ…。

何だって女共はこういう時に限って団結すんだよ…ったく…


その中には男子の制服を着ている奴もいたような気がしたが、そこは気のせいにすることにした。


「テメェらどきやが『キャー跡部様ぁー!!v』『私のプレゼント受け取ってーっ!!vV』あ!?ちょ、」

おいおいおい、まだこんなにいたのかよ!?

…しょうがねえ、
あれを使うしか…!


「俺様の美技に…酔いな!」





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