Long novel
□天空の使者〜第三章〜ボンゴレリング
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「がははは、ランボさんはあっち行きたいんだもんね」
「あっ、ランボちゃん。勝手に行っちゃダメですよ」
「はぁ、何でこんな大所帯に…」
逃げるランボを追うハルやキョロキョロとしているイーピン達を見て綱吉はため息を吐く。
「いいじゃねーか、息抜きにはなるだろ」
「そうだけどさ…」
てくてくと、綱吉の隣を歩いていたリボーンの言う通り息抜きにはなるが…
「ちょっと、賑やかすぎるよな」
朝、父親の帰国で少し憂鬱な綱吉を心配して獄寺と山本が綱吉を放課後、遊びにいくように誘ったのだが、放課後、校門で綱吉を待っていたハル、たまたまいた京子、花、ランボ、イーピンも来ることになり、結果、リボーンを混ぜての大人数になってしまった。
「ツナ君、楽しくないの?」
「えっ、ううん。楽しいから大丈夫だよ。ただ、賑やかだなぁと思って」
「そっか、ならいいの。でめ、確かに皆楽しそうにしてるから賑やかだよね」
ふふ、と笑顔で微笑む京子に綱吉はそうだね。と笑って返す。
が、突如それは鳴り響いた。
―ドオンッ
「なっ、なに!?」
急に聞こえた爆発音に反射的にそちらを向くと、ビルの間から爆煙がのぼっていたのだ。
と、その時その爆煙から影がまっすぐ綱吉に向かってきて綱吉にぶつかり止まる。
「あいたっ!」
「……ぐっ」
「ちょっ、大丈夫ですか?」
ぶつかってきた少年が苦し気に呻くので心配した綱吉が声をかけると、その少年は綱吉の方へ振り向き、綱吉の顔を確認すると驚いた表情を浮かべた。
「お主は…」
「へっ、この時代にお主?」
(うん?…こいつ見たことある。確か)
薄い茶の髪に青い瞳を持った少年を見て、綱吉が思い出そうとしたときだった。
「ヴオオォイ、ちょこまか逃げやがって追い詰めたぞぉ!」
「しまった…!」
殺気をにじませ、長い銀髪の男は剣を所持した長身の男がこちらをにらみつけていたのだ。
「沢田殿、こちらへ!」
「えっ、オレの名前ってか、一体何なの!?」
男から逃げるように少年に引かれて走る綱吉は先ほどの男を知っていた。
(奴はヴァリアーの斬り込み隊長のスクアーロ!そして、こいつは門外顧問の所のバジルか)
ボンゴレ所属の2人が何故、追われ、追っているのかなんとなく合点がいった綱吉は内心舌打ちをした。