Long novel

□天空の使者〜another story〜
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「ここなら、ゆっくり出来そうだな…」


今、綱吉はとある人里から離れた山奥に休養の為に来ていた。
リボーンが来てから家で休めることが極端に少なくなり、心配した奈々がたまにはゆっくりしていきなさいと送りだしてくれたからで、奈々が言うならと綱吉は1人やってきた。
そして、綱吉がここを選んだ理由はいくつかあった


「お前達、出てこい」


あらかじめ出しておいた匣と指輪をはめると、中から勢いよく7つの影が飛び出してきた


「綱吉さん〜、お久しぶりです!」


「おっ、久々の外の空気だな」


「うむ、早く身体を動かしたいものだな」


「おっ、オレはツナさんとゆっくりしたいです」


「僕は狩りがしたいね、暴れていいんだろう?」


「ネピアス、ゆっくりしていきますよ」


「はい、兄さん」


匣から出てきたのは、綱吉の守護神獣であるテンペスタ、ピオッジャ、ベルム、フルミネ、ヌーヴォラ、ネッピア、そしてネピアスだった。
彼らの姿はケルベロス、ドラゴン、グリフォン、ユニコーン、猫又、九尾に六尾の狐とそれぞれ現実には存在しないはずの姿をしていて、彼らの特別さを表している
これがひとつめの理由だった


「お前達、人里から離れているとはいえ、もし誰かに見られたら厄介だから姿を変えてくれ」


「まあ、現世だしね。仕方ないか」


人がいないとはいえ、いつ誰かが迷いこむかもわからない為、念のために彼らの姿を変えさせる。


各々で純度の高いそれぞれの炎を出して自分自身を包む。
そして、全ての炎が消えたとき、七匹の影は7人の影に変化していた


テンペスタは赤い目を持つ青年、ピオッジャは青い目を持つ青年、ベルムは黄色い目を持つ青年、フルミネは緑色の目を持つ青年、ヌーヴォラは紫の目を持つ青年、ネッピアは藍色の目を持つ青年、ネピアスは藍色の目を持つ少女へと姿を変えたのだ


「うん、それでいい。ありがとうな」


「いえいえ、これくらいのことは気にしなくて平気ですよ。それにたまにはこの姿もいいですしね」


「マスター、兄さんの言う通りだから気にしないで」

どこかミステリアスな雰囲気を持つ兄妹だ


「それよりさ、君の家庭教師のリボーンだっけ?アイツは君がここにいることを知っているのかい?」


猫又らしく気まぐれな性格をもつのはヌーヴォラだ


「ヌーヴォラ、リボーンはイタリアへ行っているはずだから心配ない。それにもしもの時は母さんにたのんである」


そう、ふたつめの理由はいつも綱吉を監視するようにいるリボーンがイタリアへ帰っているからだ。
急に9代目から何かを頼まれたらしく、先日からイタリアへ飛んでいるし、もしすぐに帰ってきて綱吉がいないことに気づいても、奈々に頼んでいた為、何とかしてくれるはずだ


「それに、獄寺も山本も用事があっていないしな」


これもひとつの理由と言えるだろう。
いつも綱吉の側にいる獄寺は火薬が切れたらしく、仕入れに行ったし、山本も野球の合宿で遠くへ行っているのだ


「ふ〜ん、じゃあ本当にゆっくり出来そうだね」


「まあな、せっかくの休みだしのんびりするさ」


「ところで寝食はどうすんだ?」


ムードメーカー的、存在で切れたら怖いピオッジャが首を傾げる


「ピオッジャ、泊まるところならクリスから借りた別荘がすぐそばにある。まあ、これからお前達にやって欲しいことを言うさ」


7人を見比べてから綱吉は今考えた分担を発表しはじめる


「食料調達がヌーヴォラとテンペスタとフルミネ」


「群れてるやつらを狩ってきてあげるよ」


「任せてください、沢田さん!必ずあなたのためにたくさんとってきますから」

「おれが食料調達…がっ、頑張ります」


テンペスタは綱吉に対して一番忠誠心が高く、知能的で、フルミネはネピアスの次に若く控えめな性格をしていた


「ピオッジャとベルムは薪割りを」


「よっしゃ、任せろ!」


「了解だ、きれいに割ってやるからな」


ベルムはこの中では一番年長者で兄貴的で頼れる存在だ


「ネッピアとネピアスはオレと別荘でいろいろと準備だ」


「わかりましたよ」


「がんばるわ」


全員に担当が行き届いたのを確認した綱吉は7人に合図を送る


「よし、じゃあそれぞれ別れて頼むぞ」


「「「了解」」」


綱吉の合図とともにそれぞれの役割を果たすべく散り散りになるのだった…
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