Long novel

□天空の使者〜第二章〜運命の分かれ道
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「ただいま〜」

「お帰りだもんね―」

「ツナさん、お帰りなさい」


「うん、ただいまランボ、イーピン」


学校から帰宅し、玄関を開けると遊んでいた2人は手を止め、綱吉の方へ走って元気に出迎えてくれた


「あれ、母さんは?」


「ママンなら、どっか行ったもんね」


「夕飯の材料買いにいった」


「そっか、そういえばイーピン日本語上手になったね」


「ありがとう、ツナさん」

嬉しそうにするイーピンの頭を撫でる。


イーピンと初めて会ったときはリボーンの通訳がなければなかなか会話が進まなかったが、イーピンの努力もあってか、まだ少し片言だが、日本語で会話できるようになったのだ


「ツナ、ランボさんと遊べ〜」


「イーピンもツナさんと遊びたい!」


「う〜ん、今日は宿題もないし…うん、いいよ」


「やった!じゃあ、昨日のゲームの続きがいいだもんね!」


「イーピンはおままごとしたい!」


「わかったよ、じゃあ順番にやろうな。まず、ゲームからやるから2人とも先に準備してきてよ」


「すぐにやるから、ツナも早くくるんだぞ」


「ランボ、イーピンも手伝う!」


「ちょっ、2人とも階段で走るなよ〜」


慌ただしく二階に上がっていく2人を見送った綱吉は、リビングへ行き二階へと持っていこうと麦茶と3つのコップを取り出した。


今日は買い物に行っている奈々を除いて、綱吉、ランボ、イーピンの3人しかいなかった。
リボーンはビアンキに連れられ、食事に行ったし、フゥ太は新しいランキング探しの旅に少し前から出た。だから、いつもの騒がしさはなく、どこか静かだった

「このまま、何事もないといいんだが…」


綱吉はこの呟きが無意味だと知っている。
なぜなら綱吉の直感がこれは嵐の前の静けさだと知らせているからだ。


―〜♪


「もしもし、オレだが…」

ポケットに入れていた携帯が突然鳴りだし、綱吉はそれにあわてず、ゆっくりと出た。


「クリスか、ああ、それでどうしたんだ?」


電話口から相手の様子で緊迫したものが伝わり、綱吉も声が低くなる


「そうか…ヤツが動き始めたのか……ああ、また何かあったら知らせてくれ。じゃあな」


通話を終了し、携帯をそっと机の上に置くと、心配そうな声が響いた


(どうしたの?マスター)

「ネピアスか…どうやらアイツが動きだしたようだ」

(“アイツ”って…最近、マスターが警戒してた…)

「ああ、たぶんそろそろ大きな動きを見せるはずだ」

(そう…マスター気を付けてね…)


「わかった、まあ、こちらも対策は練るから平気だ」

(私も兄さんも、みんなにもマスター、何かあったら私達も協力するわ)


「そうか、ありがとうな、ネピアス。じゃあ、お前達の協力を仰ぐことがあったら頼むとみんなにも言っておいてくれ」


(任せて、マスターに何かあったら私達がマスターを守るから)


「頼んだぞ」


ネピアスが戻ったのを感じとった綱吉は止めていた手をまた動かしはじめる。
コップに注いだ麦茶をお盆に載せ、綱吉は二階から綱吉を急かす、子供達の所へ急ぐのだった。





















―――

同時刻、とある崖の上

眼下にそびえる要塞のような建物を1人の男が見下ろしていた


「さて、そろそろ動きますかね…」


頑丈なセキュリティを持つ、建物から視線をそらさずクスリと笑う


「クフフ、駒ももうすぐそろう…ターゲットも見つけましたしね…後は時がくるのを待つだけだ」


もう少しで、その時が訪れる。
そう思うと、自然と笑みがこぼれた


「もう少し…もう少しで僕がこの手で君を手に入れる」


一枚の写真を胸ポケットから取り出し、男は写った人物をなぞる。
口端をあげるとその写真をまたポケットへ戻した
そして、眼下にそびえる建物を一瞥し、男は不気味な笑いを放つ



「クフフ、クハハハ!」


男は踵を返すと、不気味に笑いながらその場を去っていった…
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