Novel
□梅雨と黒てるてる
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「なっ、何でそんなこと言うんだよ、リボーン?こんな雨の中放りだすなんて酷いじゃんか!可哀そうだよ!」
「可哀そうでも酷くもねぇ!わかってんのか?そいつは見た目赤ん坊でも暗殺部隊の術士なんだからな」
「でも、オレはマーモンを追い出すのは反対だからな!」
―ヒュッ、
「へっ?リ…ボーン?」
ギュッと尚更強く抱き締める綱吉の頬に一筋の傷ができる。
おそるおそる、壁を見ると明らかに銃弾の当たった跡があり、リボーンの方をそっと振り向くと無表情のリボーンの銃口からは煙が上がっていた。
どうやら、リボーンが撃ったらしいことは明白だった。
「よぉし、ツナ。後、5秒だけ待ってやる。それを今すぐ窓から捨てろ」
そう言ったリボーンの目は本気で、目が早くしろと言っており、やらなければ今度はマジで綱吉を狙いそう…いや狙う気だった。
「えっ、ちょっ!」
「はい、5ー」
「リボーン?」
「4ー」
「まっ、待てって!」
「3ー」
「リボーン、話聞けって!」
「2ー」
「あっ、ちょっ、どうしよう!」
「1ー」
「そこまでにしといてあげなよ、リボーン」
カウントが残り1秒になったとき、綱吉の腕に抱かれていたマーモンは綱吉から離れ、空中にふわふわと浮かんでハァと、ため息を吐く。
「なんだと!?元はと言えばてめぇが勝手にツナについてきたからだろ!」
「人聞きのわるいね、ついてきたんじゃない。連れてきてもらったんだよ」
「大体、お前。任務の帰りならさっさと帰れよ!ヴァリアーがこんなとこで道草くってていいのか?」
「全く、本当に一々君はうるさいね。任務帰りに何をしようが僕の勝手だろ?それとも何?僕は一々君の指図を受けなきゃいけないとでも?」
「おい、バイパーいい度胸だな…一度、てめぇは撃ち殺さなきゃだと思っていたんだ」
「バイパーって言うな、マーモンだ!へぇ、僕もだよ。珍しく気が合うじゃないかリボーン。僕の幻術で返り討ちにしてやるよ」
「ハッ、笑わせんな!」
「フッ、君こそね!」
「えっ、えっ?ちょっと2人共!?」
室内だと言うのに喧嘩を始めた2人、しかも喧嘩と言ってもアルコバレーノの喧嘩だ。
部屋はどんどんぐちゃぐちゃになる荒れていく。
「あぁ、部屋がーー!」
幻術やら目にも止まらぬ射撃だとが飛びかい荒れていく部屋で、綱吉はもう変な拾いものは止めようと心に誓ったのだった。
「もう、変なものを拾うもんか!」
〜END〜