Novel

□あの子の思い人は誰だ!
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―その騒動は沢田家に届いた一枚の手紙から始まった…



「ツっくん〜、お手紙届いてるわよ〜!」


「は〜い」


奈々の声に綱吉はリビングへ行くとハイ、ツっ君と一枚の便箋を手渡される。


「誰からだろ?」


とりあえず自室に戻った綱吉はベッドに転がりながら自分宛の手紙に首をかしげる。


「え〜と、差出人は…」


手紙の入った便箋をくるりと裏返す。
そして、綱吉はそこに書かれていた名にびっくりするのだった


「この人は…」


名前がわかった綱吉は急いで封を破り、すぐに読み始める。

そして、読み終わった綱吉は思わず微笑みを浮かべてしまう


「会えるんだ……あの人に…もうすぐ会えるんだ…」


綱吉の感嘆の呟きを聞いたのは窓から見える青空だけだった…















―――
「なあ、獄寺…」


隣で歩く獄寺に最近感じていたことを話してみることにする山本


「ああ!?何だよ?」


「最近、ツナの様子がおかしくね?」


「十代目が?」


「ああ、何かソワソワしてるっていうか、上の空っていうか」


「そういえばそうだな」


「今日だって、一緒に帰ろうと思ったら先に帰ったって言うし」


そう、最近綱吉の様子がおかしかった。

一週間前位から話しかけてもどこか上の空で、ひどいときでは話しかけた事にすら気付かないのだ。

今日なんか、綱吉と帰ろうとしたらすでに姿はなく、近くにいたクラスメートに聞くと、さっさと帰ってしまったらしいのだ。

いつもの綱吉なら用事があるときは自分たちに一言断ってから帰るのに普段の綱吉ならありえなかった。


「おい、野球馬鹿」


「うん、何だよ」


「十代目がおかしくなった日からずっと一枚の手紙を大事そうに持ってなかったか…?」


獄寺の言葉にハッとなる。
確かに綱吉の様子がおかしくなった一週間前から綱吉は一枚の手紙を大事そうに携帯していた。

それを不思議に思って綱吉に聞くと恥ずかしそうに秘密と言っていたのだ


「そういえば思い出したのな、ツナはその手紙をすっげー大事そうにしてた」


「ああ、だから十代目の様子がおかしくなった原因はその手紙にヒントがあると思うんだ」


獄寺と顔を見合せ、頷き合う。


「ツナの手紙を探る」


「ああ、それで原因を見つけるぞ!」


愛する少年の為、2人は決意を固めるのだった…
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