Long novel
□天空の使者〜次元の歪み〜
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「お前さんら、ただものじゃないだろう?長年の儂の勘じゃが儂ら妖怪と少し似たような雰囲気を持っているからな」
やはり長い時を生きてきただけはあるらしい、綱吉は誤魔化しが聞かないことを悟ると素直に頷いた。
「オレ達が何であるかは言うわけではないが、人の枠を外れた存在であることは確かだ」
「やはりそうか…そうじゃ、どうせお前さんら行く宛てはないのじゃろう?だったら儂の所にくればいい」
「綱吉さん、どうしますか?」
ぬらりひょんの厚意にテンペスタが綱吉に伺いをたてる。
この世界に来たばかりで行く宛てもなかったのも確かだ。
しばし考えた綱吉はぬらりひょんの厚意を受け取ることにした。
「オレと仲間が少し世話になる」
「おぅ、これくらいの人数なんともないわい。そのかわり酒は飲めるかの?」
「オレは一応、身体は未成年だから嗜み程度なら。後ろの男達は平気だ」
「なら、後で酒飲みを手伝ってもらうかの」
「お世話になる身だ。それくらいなら参加するさ」
こうして、綱吉達はぬらりひょんの家に滞在することが決まり、ぬらりひょんの家へと早速向かうのだった。
―――
「おう、皆今帰った。」
「「お帰りなさい、総大将」」
ぬらりひょんが門をくぐると組の妖怪達が総出で出迎える。
「お帰り、おじいちゃん。今日はどこに散歩に行ってたのさ」
「おぉ、リクオか。ちょっと町外れまでな」
後ろに雪女と青田坊の2人の側近を連れた息子、リクオは呆れたように祖父を見るがその後ろに人が複数人いることに気付き、目の前の祖父に尋ねた。
「ねぇ、おじいちゃん。その後ろの人達は……?」
「あぁ、そうじゃった」
そう言うとぬらりひょんは横にズレて客を見れるようにする。
「しばらくの間、うちに居候することになった。客人達じゃ。特に綱吉はリクオ、お前の1つ上らしいからのぅ、仲良くしてやれ」
「よろしく、奴良リクオ君だな。君達、妖怪のことはぬらりひょんから聞いたよ。オレの名前は沢田綱吉。年は君の1つ上だが綱吉って呼んでいいから」
スッと差し出された手にリクオは自分も手を差し出す。
他の人もそうだが、何だか不思議な人だった。
「えっと、こちらこそよろしく綱吉。僕のこともリクオでいいですから」
「そう、じゃあしばらくの間ここで厄介になる、リクオ」
こうして、綱吉達守護神獣と異世界の妖怪達との短い共生が始まるのだった。