リクエスト

□揺るがない絆と脆い鎖
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「さて、残るはお前達か…」


もう、ホログラムが出てこれないことを確認してから、残る敵を見た。
一番厄介なリボーンは先程の攻撃により戦闘は出来ない状態にした。この後はどうするかと考えていたとき、獄寺と雲雀、そしてバジルが攻撃を仕掛けてきたのだ


「果てやがれ!!」


「咬み殺す!!」


「沢田殿、ごめんする!」

獄寺はロケットボムを雲雀はトンファーをバジルは死炎を纏ったブーメランをそれぞれ綱吉に放つ。
しかし、綱吉はそれを全て迎撃した。
まず、自分を中心に球状の雨の属性の炎を放ち、獄寺のロケットボムを無効化して、無防備になった獄寺に向かって雨の属性の火炎を放った、


「なっ!」


そして避けられずくらってしまった獄寺はその場に倒れこみ気を失った


「まずは1人」


「次は僕だよ!」


次にやってきた雲雀の攻撃を自らのグローブで受け止め、グローブの炎を雷に属性変換し、雲雀のトンファーを上回る硬度のグローブでトンファーを砕き、雲雀のみぞを思い切り蹴り飛ばした


「ぐっ!」


蹴り飛ばされた雲雀は運悪く近くに生えていた巨木に強打し、同じく雲雀も気を失ってしまった


「2人目」


「最後は拙者が相手です!」


最後にバジルのブーメランが綱吉を襲った、だが、綱吉に当たる寸前に綱吉が霧のように消えてしまったのだ、その事にバジルは慌てた


「なっ!沢田殿が消えた!?」


「オレはこっちだ…」


「!?」


バジルが綱吉が背後にいることに声をかけられて気付いた時には綱吉の手刀が首に当たり、バジルも気を失ってしまった。
実は綱吉はバジルが攻撃してくる前に霧の炎で自分の幻覚を作り出し、入れ替わっていたのだ、そして自身は霧の炎でバジルに見えないようにし、バジルの背後に回ってバジルを沈めたのだった


「これでラストだな」


手をはたきながら気絶している3人を一瞥し、今まで黙って傍観していた自分の父親、家光に視線を向けた

「沢田家光…お前には失望した…自分の家族よりボンゴレを取るなんてな」


「違う!ツナ、お前を見捨てたかったわけじゃない!!…ただ、こうしなければ奈々を殺すと言われたんだ…仕方がなかったんだ」


すまなそうにうなだれる家光が言った言葉に綱吉は眉をしかめた


「ボンゴレが母さんを殺すと言ったのか…」


「ああ、オレだって出来るならお前を守りたかったさ…だが、奈々だけでなくオレの部下達も殺すと言われてしまってはどうすることも出来なかったんだ…すまない、ツナ」


「…そうか」


未だ、うなだれる家光を一瞬だけ綱吉は悲しそうに見てから踵を返して、自分を守ろうとしてくれた仲間達の元へ向かった
















―――
「大丈夫か、お前達」


「…ツナ」


傷を負ってしまった山本達の元へ着いた綱吉は山本達を囲むように晴れの炎のドームを作った


「安心しろ、今、治してやる」


ドームの中にいる山本達は晴れの炎の特性である“活性”によりあっという間に回復した
回復したことを確認した綱吉はその場を去ろうとした

「迷惑をかけた、じゃあな」


「待てよ!ツナ!!」


そんな綱吉の腕を掴んで止めたのは山本だった、普段温厚な彼が怒っているように見えた


「どこ行くつもりだよ!」

「誰にも見つからない場所にだ」


何だか消えてしまいそうな綱吉に山本は必死で止めた

「何で、そんなこというんだ!?」


「オレはお前達を騙していたんだぞ、そんなオレがお前達の前にいることなんて出来ない」


自分を信じ、自分を大切にしてくれていた彼らを仕方なかったとはいえ、騙したことに変わりはなく、申し訳ないと綱吉は思っていただが、そんな綱吉にたいして山本は先程と変わって笑っていった


「そんなことはないぜ、オレはツナの本当の姿を見て驚いたけど、ツナはツナだろう?それにツナのことだから何か理由があったと思うし…だからそんなこと言わないでくれ、オレはお前が大切なんだ…お前達もそうだろう?」


「「「もちろん」」」


「…山本…了平さん…コロネロ…クローム…千種…犬」


「ボス、骸様も貴方が大切だって」


「骸まで…」


偽っていたというのに変わらぬ彼らの優しさに綱吉は揺るがない絆を感じた


「だが、どちらにしろここにはいられないな」


「だったらオレ達もついていくぜ」


「まかせろコラ!」


「極限にいくぞー!」


「ボスについてく…」


「うさぎちゃんとなら、暇じゃなそうだぴょん」


「沢田とならめんどくない」


「なら、ついてくるか?」

綱吉の差し出した手を6人は受け取ったのだった










―――
「寂しくなったわね」


あの日から、綱吉達は並盛から姿を消した。
奈々は最後に別れを告げにきた自分の息子を思い出しながら、ポストを見に行った


「あら?手紙だわ、差出人が書いてないわね?」


差出人不明の手紙を不思議に思いながら、自宅に入り読んで見ることにした、封を開け、入っていたのは一枚の写真と手紙だった


「あらあら、元気そうでよかったわ」


手紙と写真を見た瞬間、奈々は嬉しくて涙を流した。

“母さんへ

母さん、元気ですか?
俺は元気にしています。
手紙が苦手だから短くなっちゃうけど、母さんにどうしても手紙を書きたかったから書きました。
あの日、俺は並盛を去りました。
でも、その事に後悔はしてないよ、だって俺を信じてついてきてくれた仲間がいるからね。
あの日まで俺は仲間なんて脆い鎖だとおもってたんだ、だけど俺が騙してたにも関わらずそんなの関係ないって俺が大切だからって言ってついてきてくれた仲間を見て揺るがない絆もあるんだと考えるようになったんだよ。
母さんには寂しい思いをさせちゃうと思うけど…待っててよ、いつか必ず会いに行くから、みんなでね。

綱吉 ”

手紙と同封されていた写真には幸せそうな7人が笑いながら写っていた




揺るがない絆と脆い鎖

〜END〜
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