リクエスト

□揺るがない絆と脆い鎖
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「クローム…てめぇ」


今まで綱吉に標準を向けていたリボーンはクロームへと標準を変える。
だが、クロームは三叉槍を下ろそうとはしなかった


「私はボンゴレなんか知らないわ、私が守りたいのはいつも暖かいボスだもの」

クロームの答えに焦ったのは犬と千種だった、彼らも自分達を一番に心配してくれた綱吉を助けたいと思っていた。
しかし自分達はボンゴレに保護されている身であり、何より主である骸が未だ囚われていて、それを解放するには強大な権限を持つボンゴレの協力が必要だったからだ


「おい!何勝手なことしてるびょん!」


「クローム、戻ってきな…」


(その必要はありませんよ)


「「!?」」


犬と千種の頭に響いてきた声は彼らの主、骸の声だった、どうやら2人以外には聞こえていないようだ


(犬、千種、クロームと一緒に貴方達は綱吉君を助けてやりなさい…)


響いてくる声に千種は控えめに意見した


(しかし、俺達は良いとしても骸さまが…)


(クフフ、僕は大丈夫です。だから貴方達は自分に素直に動きなさい…そして僕の分も彼を手助けしてあげなさい)


(…わかりました)


大切な主の言葉で自分達の迷いは無くなった、ならば自分達の決意を行動に移すまでだ…


「俺達もこちら側につかせて貰う、骸様にも言われたしな…」


「犬、千種…」


ボンゴレに保護されている身であるため、まさか犬と千種まで寝返るとは思っていなかったリボーンはいつものポーカーフェイスを珍しく崩したがすぐに戻し、冷ややかな目を向けた


「お前達はボンゴレに保護されている身ってのをわかってんのか?」


殺気まじりの冷たい視線を浴びながら犬が声を荒げながらも答えた


「そんなのどうでもいいびょん!オレらはこっちがいいからこっち側にいるんだからな!!」


「ちっ、そうか…なら今をもってお前達を保護対象から外す」


「勝手にしろびょん!!」

犬、千種、クロームが綱吉側に加わったが依然として綱吉が不利な状況であるのは変わらなかった


(どうしたものか…なるべく本当のオレを見せたくはないんだが…もう少し様子を見るか…)


ボンゴレ側がどう出るか様子を見る事にした綱吉はそのままダメツナを演じ続けることにした。
そんなとき、ホログラムの9代目が死炎を灯した勅命を提示しながらリボーン達に命令を下した


「リボーン、ボンゴレに属する者に命じる。沢田綱吉とそれに従う者達をボンゴレから追放また排除せよ!」














―――
「ツナ!オレの後ろに下がれ!?」


綱吉が山本の後ろへ移動すると同時にさっきまでいたところに爆発が起きる、獄寺のダイナマイトだ


「後ろだ!極限に避けろ!!」


山本と一緒に急いで避けるとすぐ横を銀色の鈍器が通りすぎた。
しかし、それを狙っていたかのように綱吉へと銃弾が迫る


「ショット!!」


だが、それをコロネロが新たに撃った銃弾がその銃弾の軌道を反らし綱吉達をフォローした


「ハハ、助かったぜ」


「ありがとうコロネロ」


「こんな軟弱弾なんて余裕だぜ、コラ」


「ボス!危ない!」


クロームの声に振り向くと目の前に死炎を帯びたブーメランが迫っていたが、すかさずクロームが三叉槍で受け止め、近くにいた千種がヨーヨーで弾き飛ばした

「たくっ、油断すんじゃねーぴょん」


「…犬は何もしてない」


「柿ピーうるせぇーびょん!飛び道具は苦手なんだっつーの!」


「ボス、無事?」


「うん、ありがとう」


コロネロ、山本、了平、クローム、千種、犬の協力により予想以上に手強いことにリボーンは舌打ちした


「殺さねぇーようにとしてたが…仕方ねぇーな、殺してでも始末させて貰う」


今まで本気を出していなかったのだろう、急に普通の人なら気絶してしまう程の殺気を放ち始め、目にも止まらない速さの銃弾が綱吉達を襲い始めた













―――
「くそっ、ツナ平気かコラ…」


「コロネロ!!」


本気を出したリボーンはとても強かった。
綱吉を除くコロネロ以外の綱吉の協力者は皆リボーンの銃弾を足や腕に受け負傷し、動けなくなってしまったのだ。
今、綱吉を守っているのは同じアルコバレーノであるコロネロだけだった、しかし、さすがのコロネロもリボーンだけでなく獄寺や雲雀、バジルも相手にしていたので押され気味だった


(このままではオレを守ろうとしてくれたもの達まで始末されてしまう…)


「くっ!」


「!コロネロ!!」


ついにコロネロまで腕に銃弾を受けてしまい、その場にしゃがみ込む


(…覚悟を決めるしかないようだな)


「ハッ、これでラストだなツナ」


リボーンの愛銃で綱吉のこめかみに標準を合わせたときだった
綱吉の纏っていた雰囲気が威圧的なものにガラリと変わったのだ


「調子に乗るのもそこまでだ…」
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