リクエスト
□揺るがない絆と脆い鎖
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「ただいま、母さん」
「あら、つっ君おかえりなさい」
学校を終え、家に帰宅すると母親が料理を作っていたのだろうか、エプロンを着けたまま出迎えてくれた
「母さん、明日の休みに山本が家来ても平気?」
「あら、山本君が来るの?じゃあ、母さんおいしいクッキーでも焼いてあげるわよ」
「ありがとう母さん」
この優しい母親に綱吉は心から感謝を感じていた。
父、家光はめったに家に帰らなく、事実この家を管理し綱吉をここまで育ててくれたのは母親の奈々だからだ
「ああそうだったわ、つっ君コロネロ君が明日遊びに来るらしいわよ」
「うん、今日お昼に京子ちゃんのお兄さんに聞いたよ」
「あら、今日は了平君とお昼食べたの?珍しいわね」
「お兄さんと山本とだけどね」
母子で仲良く会話を取りながら一緒に夕御飯の準備をするのだった
―――
「よっす!ツナ」
「いらっしゃい、山本」
休日、綱吉は山本を家に迎え入れ、二階にある自室に上がった
「こうやって、二人で遊ぶの珍しいよな〜」
「そうだね、いつも獄寺君がいたから」
(本当、いつもオレがいる場所に必ず彼がついてきていたからな)
綱吉が補習で残ったときも遅刻したときも休日でもいつも必ず綱吉の側にいた獄寺、しかし、彼は綱吉がいつ寝た、食事をしているなど盗聴しているんではないかと思う発言が多々あった
(本人は右腕だから知って当たり前です。と言っていたが…あれは行き過ぎだと思うのだが…)
綱吉は心の中でそう思った
「まあ、俺は獄寺がいないのもツナと二人きりになれるから別にいいのな〜」
「?何でオレと二人きりになれると嬉しいの?」
(何だろう、何か一瞬山本から黒いオーラが出た気がしたような…)
綱吉が感じたのは間違えではないだろう、何故なら山本は爽やかそうに見えて実は腹黒い性格をしていた。特に獄寺や雲雀などに対しては隠そうともしていない、綱吉は気づいていないが山本は綱吉に好意を抱いており同じく綱吉に好意を抱いている守護者達をライバル視しているのだ。
まあ、守護者達の好意を気付かない綱吉もある意味すごいのだが…
「それより、新作のゲーム持ってきたから一緒にやろうぜっ」
「あっ、それオレがやりたかったやつだ!ありがとう山本!」
(仕事が忙しくて買いに行けないかったんだよな、感謝する、山本)
「ハハ、別にいいって!じゃあやるか!」
「うん!」
綱吉が2P、山本が1Pのリモコンを持ち、ゲームのスタートを押した。
―――
「つっ君〜お友達が来たわよ〜」
一通りゲームを進め、山本と綱吉は奈々が焼いたクッキーと冷たいオレンジジュースでおやつにしていたときに階下から奈々が綱吉を呼んだ。
急いで綱吉は階段を降り、玄関にいた人物達に驚いた
「コロネロとお兄さん!」
そう、玄関にいたのはコロネロと了平だったのだ。
そういえばコロネロが来るとは言っていたがまさか今日来るとは思っていなかった
「久しぶりだなコラ!」
「コロネロ師匠を連れて来たぞ!沢田」
「うん、久しぶりだねコロネロ!取り敢えず二人ともオレの部屋においでよ」
二人を連れて自室に戻ると山本がこちら振り返り綱吉にはわからないように一瞬だけ嫌な顔をした
「よっす!了平さんにコロネロ、遊びにきたんか?」
「おい、お前…一瞬嫌な顔しなかったかコラ?」
「ハハハ、何言ってんだ?そんなわけないのな」
「何だか分からないが、極限に仲良しだな!!」
コロネロ、了平をくわえて今度は何故か四人でトランプ等をはじめるのだった。