長編T

□神様なんて
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「…………違うな…」


高杉が静かに口を開いた。



「あれは俺の望む鬼じゃねェ」

高杉はその場をそう言うとキセルをくわえた。

「何をこれ以上望む…?あれこそ…俺の望んだ夜叉だ…」


興奮しているのか、
血をざわつかせながら男は抑えるように言った。

が、高杉はそのまま背中を向ける。


「もういい…面白くねェ…」



そして船の方へと歩いて行く。
男は小さく舌打ちをする。


「あれの素晴らしさが分からねェとはな…」


















白き鬼は、

あんなにも美しいのに…




















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