長編T
□神様なんて
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「攘夷戦争で、最も恐れられ、最も伝説的であった存在…白夜叉。」
男は刀を下ろした。
白夜叉という言葉にうっとりしながら。
「俺はそいつに会った事は無かった。が、会ってみたいと思う自分が居た…それはどういった名の気持ちなのかは分からなかったが…ただ会いたかった…」
強い鬼…
血を浴びた、
戦場での鬼に…
「俺が会う事が出来たのは戦場だった…だが初めて見た時…俺は言葉も出なかった…圧倒的な力…殺気ではない…恐ろしい何か…俺は動けなかった…」
それは本物の鬼。
白き夜叉…
「俺はその時、死ぬのだと分かった…殺さる、と。そして…」
「そして俺は殺された。」
ナニヲイッテイル……………?
「殺され、た……?」
「言葉も何も出なかったっ…気付いた時には俺は真っ赤に染まり、そして俺はっ…死んでいた…」
ああ…
そんなまさか…
「もう分かるだろ…?」
どうして…?
「俺はそこに居る坂田銀時…いや白夜叉に殺された天人だ…」
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