長編

□WEIGHT OF WORLD 6
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「なんだよ、たつき。」
母の墓参りからの帰り、家の近くで一護を待っていたたつき。いつもの男勝りさはなく、女性的な表情を見せるたつきに唖然とした。
「オマエ、変だぞ?なんかあったのか?」
「・・・・・。今日は一護にどうしても、言いたいことあって。」
「ああ、何だよ?」
「・・・・・。いきなりで驚くかもしれないけど、あたし・・・・。」
たつきは、赤くした顔を上げまっすぐ一護を見つめた。

「あたし、あんたのこと好きだった!」

「・・・・・・は?」
予想外の告白に目を丸くさせる。
誰が誰を好きだって?
「・・・・・えっと、それって愛の告白か何かか?」
「愛の告白に決まってんだろ!」

はぁぁぁぁぁ!?

一護は大きく目を見開いた。
ただ驚いている。嬉しいとかそういう感想はなく、ただひたすら驚いた。たつきが自分に恋愛感情を持っていたってことが信じられなかったのだ。
「・・・・・・・マジで?」
「マジで!」
「・・・・・・え〜〜〜!?」
まだ、信じられない様子。
「あたしたちはちっさい頃からずっと一緒にいたんだ。あんたのこと好きにならないわけないだろ。」
「・・・・そうなのか?」
「・・・・・ずっと、傍にいて、あんたのこと誰よりも分かってるつもりだった。」
一護の一番の理解者は自分だって、たつきは思ってた。でも、一番一護を分かってるのは、織姫だって、気付いた。
「だけど、違ってたね。やっぱり想いの大きさが違い過ぎてた。」
「はぁ?」
たつきは優しく微笑むと、動揺している一護を一瞥した。
「返事!!」
「は?」
「告白されたら、返事するが礼儀ってもんだろ!?」
「・・・・・あ、ああ。」
一護はたじろいだ。

たつきのことは好きだ。ずっと支えてくれた幼馴染。辛い時、傍にいてくれたのは、いつもたつきだった気がする。
かけがえのない友。
少し冷静になって、たつきの事を考えてみたら、告白は正直嬉しかった。
荒っぽくて女らしさは微塵もないが、でも優しい奴だってことは痛感している。
たつきと幼馴染で良かったと、心からそう思う。

でも。

「悪い、たつき。俺オマエの気持ちに応えてやれねぇ。」
「・・・・・なんで?」
「・・・・俺、オマエのことそういう目で見たことねぇし、これからもないと思う。」
「そんなの分かんないじゃん。もしかしたら、この先何があるか分かんないだろ?」
「いや、分かるんだよ。俺、今自分の気持ち誤魔化してまで誰かと付き合うって気はねぇんだ。」
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