長編

□WEIGHT OF WORLD 4
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織姫が心配だった。でも、自分が拒否をされたことによって生まれた感情。
織姫と接することの恐れ。
また拒否されたら・・・、一護の頭の中にはそれしかなかった。

「随分と情けない顔をしているな。」
「・・・・・オマエこそ。」
一護とルキアは肩を並べ、帰路についていた。
「・・・・井上は、大丈夫なんだろうか・・。」
「・・・・・・。」
「見舞いに行ってよいものか・・・・。いや、今日はゆっくり休んだ方がよいだろうし、しかし・・・・・、心配なのだ・・・・。」
「・・・・・・。」
「窓から、そっと覗くぐらい、許されるだろうか・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・、貴様何か言ったらどうだ!?井上が心配ではないのか!?」
「・・・・心配に決まってんだろ!でも、俺は・・・・・、どうしてやることも、出来ねぇんだよ・・・!」
「・・・・・一護。貴様・・・・。」
「井上には恋次の方がいいんだろ!俺は嫌われてるからな!」
「・・・・・・。」
「あいつ・・・、俺の前では笑わねぇんだよ・・・!」
不安がこぼれていく。ずっと続く意味不明な胸の痛み。それがまだ何なのか分からない。
「・・・・って、俺の事はどうでもいいんだよ!それより、ルキア!オマエ恋次となんかあったのか?」
「・・・・・・なんのことだ・・・?」
「とぼけるなよ。今日の昼飯の時もそうだったけど、オマエら一言もしゃべらなかったじゃねぇか。いつもはギャアギャア痴話喧嘩してるのに。」
「ち、痴話喧嘩などしておらぬ!」
「お、照れてる。」
「照れてなどおらぬわ!」
顔を真っ赤にしたルキアはそっぽを向いた。
「素直じゃねぇの。」
「黙れ。貴様に言われたくない。」
「・・・・・オマエって恋次の事になると子供っぽくなるんだな。」
「・・・・!?」
「恋次に甘えてんだろ?」
「あ、甘えてなど・・・・・。」
恥ずかしそうにモジモジするルキアは乙女の表情を見せた。
「・・・・・・私は、ただ井上と恋次が仲良すぎるのが・・・・・、嫌なのだ・・・・。」
「ヤキモチか?」
「違うわ!誰が恋次などに・・・!私は井上が恋次に取られるのが嫌なだけで・・・!」
「へぇ?」
にやにや笑う一護に、舌打ちをする。
「・・・・・ちょっと反省しているのだ。私は恋次にいつも厳しいことを言ってしまう。恋次はそれでもいつも受け止めてくれているが・・・・。井上のこととなると違う気がして・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・素直になれぬ、というのは辛いな。」
「・・・・・・そうだな。」
ルキアは何かを決意したように空に拳をあげた。
「よし!私は明日恋次に謝ってみようと思う!」
「な、なんだ、そのポーズ・・・。」
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