長編

□WEIGHT OF WORLD 2
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教室にいるその人物にみんなが驚愕している。

「れ、恋次〜!?」
「な、なんで阿散井くんがここに?」
みんなの視線を集める張本人は平然と手を首にあて、かしげた。
「なんでって言われてもな。」
「そんなにソウルソサエティは暇なのか?」
「ちげーよ、バカ野郎。」
否定はしてみても理由を言わない恋次に一護は眉をしかめた。当人は少し顔を赤らめそっぽを向く。
現世に来た理由。ルキアに会いにきた、なんて恥ずかしくて言えるわけがない。
だが、さっきから感じる視線をどうやって外そうかと悩んでいる時に、織姫がやってきた。
「おっはよ〜!みんな。あ、恋次くんだ!おはよう!」
嬉しそうに駆け寄ってくる織姫に安堵した。
「はよ。井上。」
「昨日はありがとうね。」
「いや、俺も楽しかったし。」
この二人そんなに仲良かったっけ、と思うぐらい仲良しモードを発していた。
「井上、昨日恋次に会ったのか?」
「うん!一緒にたい焼き食べたの!」
「うまかったなぁ〜。」
「でしょ〜?私もあの店の大ファンなんだ。あ、今度は餡子の中に栗が入ってるたい焼き食べに行く?」
「おう!行く!」
二人で話を進めていると一護の後ろからどす黒いオーラが現れた。
「私の姫とデートの約束してるなんて許せないわ!あの赤髪刺青野郎〜!」
千鶴の登場だ。
「あ、千鶴ちゃんも行く?」
天使の笑顔で見つめられたら、流石の悪魔も鼻の下を伸ばすもの。
「行く〜!」
だが、
「馬鹿。俺とお前だけに決まってんだろ。他は邪魔だ。」
恋次のその発言にみんなに衝撃が走る。
「なんだと〜〜〜!?」
教室中に響くその声。ほとんどの男子生徒が一斉に声をあげたのだから仕方がない。
「び、びっくりした!」
「うっせぇなぁ〜。なんだよ、でけえ声だして。」
「どういうことだ!?」
「はあ?」
「だからどうして井上さんと阿散井くんがそういうことになってるのかってことだよ!」
机をダンと叩き恋次に詰め寄る石田の顔があまりにも怖くて、流石の恋次も後ずさった。
「どうして、って言われてもな。なぁ井上?」
「ねぇ恋次くん?」
そのやり取りでさえ、癇に障るということをこの二人は気付かなかった。石田は眼鏡をくいっと上げると恋次を睨みつけた。
「そうだ、井上。俺喉乾いちまったんだけど、なんだっけ、あの、甘い飲みもんが落ちてくる機械。」
「自動販売機?」
「そうそう、それ。それどこにあったっけ?」
「あたし案内するよ。一緒に行こう?」
「ありがてぇ。」
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