長編

□WEIGHT OF WORLD 4
2ページ/7ページ

「恋次に謝るという決意のポーズだ!気合いを入れぬと自分に負けそうになるからな!」
「・・・・・前向き・・・。」
「当たり前だ!貴様もほれ!やってみろ!」
「いいよ、俺は。」
「馬鹿者!貴様も明日井上に話しかけるのだ!」
「・・・・・!」
「ちゃんと井上と話してみろ!このままでいいわけがないだろう!?」
「・・・・・俺は嫌われてんだぞ・・・・。」
「それがどうした!?」
ルキアは一護の腕を掴み宙に上げた。
「井上が貴様を嫌いだからなんだと言うのだ!?貴様は井上が嫌いなのか?」
「そんなわけないだろ。」
「ならそれでいいではないか!ちゃんと話せば井上も分かってくれる!誠意は伝わるはずだ!それでも嫌いだと言われたら、笑ってやる!大きな声で笑ってやる!」
「・・・・・ルキア・・・・。」
一護はルキアに掴まれている腕を高く上げた。
「わかった・・・。そん時は笑ってくれ。」
「承知した!」
一護とルキアは自分たちのポーズが可笑しくて腹を抱えて笑った。ずっと笑っていなかった一護にとって、ほんのひと時の安らぎだったのかもしれない。


翌朝、いつになく緊張している一護とルキア。教室の前で立ち止まっている。
「なかなか、緊張するな・・。」
「おう。」
「行くぞ、一護。」
「ああ。」
二人は教室のドアを開け、織姫の席にいる恋次とたつきを見つける。3人は楽しそうに話をしていた。

ごくり、ルキアは息を飲んだ。
「大丈夫か?ルキア。」
「へ、平気だ。昨日の決意を無駄にするわけにいかぬ!」
「ああ、あの変なポーズな。」
「変ではない!!拳を空に向かって上げるということはだな・・・!」
「分かった、分かった。思い出させるなよ。笑えてくる。」
「一護、思い出し笑いする奴は助平だと聞くが・・・?」
にやりと笑うルキアの頭を掴む。
「うるせぇな!どうせ俺はスケベだよ!」
「ほう、否定せぬのだな。」
「い、いいから、とっとと行くぞ!」
「・・・・ああ。」
ルキアは恋次を見た。そして足音をたて、恋次の元に歩みよった。
「れ、恋次!!」
「あ?」
不機嫌そうな恋次の顔。
「・・・・・あ、あのだな・・・・。」
「用ないなら声かけんなよ。確か俺達喧嘩してんだもんな。」
「・・・・・・!」
ルキアは上げていた顔を下げた。
「恋次!てめぇ!」
一護は恋次の襟をつかみ上げた。
「ルキアが謝ろうとしてんのに何だ、その態度は!?」
「へぇ?随分とルキアをかばうんだな?朝からいちゃいちゃして、随分と仲がよろしいことで。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ